研究課題/領域番号 |
21K08673
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大山 康博 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10892680)
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研究分担者 |
大西 秀哉 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30553276)
久保 真 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60403961)
山崎 章生 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80404440)
永井 俊太郎 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90755240)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 乳癌 / 癌線維化 / Hedgehogシグナル / 癌微小環境 / リンパ球組織浸潤 / 抗腫瘍効果 / 癌免疫療法 / 硬癌 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は乳癌の新規治療法開発のために、「乳癌線維化」に着目し、「①Hhシグナル阻害剤が乳癌の線維化を抑制できるか、それに伴い②リンパ球組織浸潤が促進され免疫監視機構が構築でき、抗腫瘍効果が増強されるか」を検証することである。本年度は、乳癌細胞株単独の系、および乳癌細胞株と線維芽細胞を混合して培養する系を用いて、乳癌細胞の腫瘍増殖、および線維化の程度を検証する実験を行った。方法としては、乳癌細胞株MCF-7単独あるいは、MCF-7と線維芽細胞とを混合(1:1、1:2の2種類作成)を混合培養する系を用いて(全3群)、培養後の腫瘍の細胞数評価、免疫染色あるいはwestern blot法(alpha-SMA、Masson trichrome)を行い乳癌の増殖および間質線維化の可能性を検証した。しかし、本実験においては乳癌細胞株MCF-7と線維芽細胞とを1:2で混合したもの、1:1で混合したもの、MCF-7単独の系では増殖能は一定の傾向が得られなかった。また、癌細胞におけるalpha-SMA、Masson trichrome発現の定量結果でも、一定の傾向は得られなかった。癌細胞に対する線維芽細胞の割合が低い可能性も考えられ、線維芽細胞の割合を増やすことを考慮して、実験を再構築して同様の実験を行っていく予定である。十分な線維化を得られれば、次は、この系にHedgehog阻害剤やリンパ球を投与することにより、癌線維化、癌増殖能が抑制されるか、そして、免疫不全マウスを用いてリンパ球組織浸潤が増強するか、検証していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
線維芽細胞と乳癌細胞の良い混合比が得られず、乳癌に十分な線維化が誘導できていない。
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今後の研究の推進方策 |
癌細胞に対する線維芽細胞の割合が低い可能性も考えられ、線維芽細胞の割合を増やすことを考慮して、実験を再構築して同様の実験を行っていく予定である。十分な線維化を得られれば、次は、この系にHedgehog阻害剤やリンパ球を投与することにより、癌線維化、腫瘍径が抑制されるか、リンパ球組織浸潤が増強するか、検証していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
線維芽細胞との共培養で乳癌細胞における線維化蛋白発現をvitroで確認する実験系で再現性が得られていない。そのため、マウスの実験に進めないため次年度使用額が生じた。今後、条件や方法論を変えて乳癌細胞の線維化蛋白誘導を証明し、それに続くマウスの実験に使用したい。
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