研究課題/領域番号 |
21K08678
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
小林 隆之 公益財団法人がん研究会, 有明病院 乳腺内科, 副部長 (50625738)
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研究分担者 |
北野 滋久 公益財団法人がん研究会, 有明病院 がん免疫治療開発部, 部長 (60402682)
清谷 一馬 公益財団法人がん研究会, がんプレシジョン医療研究センター 免疫ゲノム医療開発プロジェクト, 主任研究員 (30433642)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | CDK4/6阻害剤 / 腫瘍免疫 / CyTOF / 乳癌 |
研究実績の概要 |
エストロゲン受容体(ER)陽性再発乳癌では、細胞分裂抑制作用を主要メカニズムとするCDK4/6阻害剤と、内分泌療法の併用が標準治療となった。ER陽性乳癌における免疫療法の効果は低く、その臨床応用へのアンメットメディカルニーズは高い。近年CDK4/6阻害剤が抗腫瘍免疫応答を変化させるという基礎研究が報告され始めている。本研究では、CDK4/6阻害剤の効果の一部がヒトにおいても抗腫瘍免疫応答を介する事を明らかにするとともに、ER陽性再発乳癌に対する内分泌療法+CDK4/6阻害剤併用下での新規免疫療法の開発および臨床応用への一助となることを目指す。 本研究ではCDK4/6阻害剤を投与された患者より経時的に末梢血を採取し、免疫細胞分画およびT細胞受容体レパトア解析を行う。現在までに45例の研究参加同意が取得され、逐次検体が回収・保存されている。 当初免疫細胞分画を行う手法として、従来より行われている蛍光標識抗体を用いたフローサイトメーターでの解析を計画していたが、今後の発展性を勘案しマスサイトメーター(Helios)によるマルチパラメータータンパクの解析(CyTOF解析)へと変更し、条件設定が終了したところである。レパトア解析は既に手法は確立したものがあり、回収された検体より逐次DNA・RNAが抽出され保管されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例集積は順調に行われている。免疫細胞分画解析において従来型フローサイトメーターからマスサイトメトリーへと解析手法を変更したため、幾分解析自体の遅れが見られているが、全体としては遅滞なく進行している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き症例集積を進める。解析方法についての条件設定が終了しており、今後は順次解析を行い結果をまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
免疫細胞分画解析の手法を、従来型フローサイトメーターからマスサイトメーターに変更したため、実際の解析が遅れたことにより次年度使用額が発生した。
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