研究課題/領域番号 |
21K08681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 東京大学 (2021) |
研究代表者 |
石沢 武彰 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (10422312)
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研究分担者 |
伊藤 大知 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50447421)
長谷川 潔 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (20292906)
長田 梨比人 埼玉医科大学, 医学部附属病院, 助教 (00815706)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 膵液漏 / 消化酵素 / 手術合併症 / 膵切除 / 医療材料 |
研究成果の概要 |
絹糸で両端を結紮したブタ内頚動脈をサンプルに含浸させ、組織障害を病理学的に評価するモデルを作成した。まず、患者の体液を動脈に作用させると、膵液と腸液との混合によって最も中膜が菲薄化し、平滑筋の核が変性した。次に膵酵素試薬を作用させると、中膜の菲薄化にはtrypsinとchymotrypsinが、核の変性にはtrypsinとelastaseが最も強く影響していた。そこで、膵液と腸液の混合液にtrypsinの阻害剤を添加して動脈に作用させると、中膜の菲薄化と核の変性は回避された。今後は、膵酵素阻害薬を徐放する高分子化合物を開発し、同様の実験系で膵液漏による組織変化の低減効果を評価する計画である。
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自由記述の分野 |
肝胆膵外科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
手術後に膵液漏が起きると、組織障害により血管が破綻し致死的な出血が起こる。本研究は、膵液が腸液と混合して活性化したtrypsinが、動脈の中膜を菲薄化させ、平滑筋の核を変性させるというメカニズムを解明した。Trypsinの阻害剤を添加すると血管障害が回避されるため、阻害剤を徐放する医療材料で手術中に血管壁を被覆すれば、膵液漏に伴う出血を予防でき、手術の安全性が大幅に向上する可能性がある。
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