研究課題/領域番号 |
21K08685
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原田 昇 九州大学, 大学病院, 講師 (80419580)
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研究分担者 |
戸島 剛男 九州大学, 大学病院, 助教 (40608965)
武石 一樹 九州大学, 大学病院, 特別教員 (50733713)
栗原 健 九州大学, 大学病院, 助教 (50823598)
吉住 朋晴 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80363373)
伊藤 心二 九州大学, 大学病院, 講師 (90382423)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 急性肝不全 / iPS細胞 |
研究実績の概要 |
現在急性肝不全に対する根本的治療は肝移植であるが、肝臓提供者の不足と肝移植後の拒絶反応が重大な問題である。また本邦では生体部分肝移植術が中心であり、肝移植後のグラフト容積不足によって引き起こされる過少グラフト症候群(高ビリルビン血症及び難治性腹水)が術後生存率を大きく低下させる。当研究において急性肝不全に対する治療法として、肝移植以外の方法として患者本人の細胞からiPS細胞(iPS-Heps)を作成し、人工的に肝臓機能補助を行う方法を検討した。 iPS細胞由来肝細胞(iPS-Heps)の急性肝不全の治療効果を検討するために、まずヒトiPS細胞を内胚葉(endoderm)に分化し、single cell passageを施行し、さらに検体から単離したhepatocyteを効率的に増殖させる新規方法を確立するために肝星細胞を共培養し、蛍光免疫染色による細胞確認と機能確認を施行することを目標としていた。現在基礎実験は繰り返しており、ヒトiPS細胞の分化を行っている。ヒトiPS細胞を内胚葉に分化させ、HGF,DMSOにて10日間培養し、新規iPS-HepsプロトコールでiPS-Hepsを作成した。新規手法によって培養した細胞がiPS細胞あることを確認した。Oct3/4、Nanog、DAPIにて蛍光免疫染色を施行するとOct3/4とNanogが描くで染色されており、iPS細胞であることを確認していく。今後は1)endodermまで誘導後さらにSOX17(endodermマーカー)とNanogの評価として、蛍光免疫染色とPCR法を用いて評価する。2)endodermへ分化した細胞をhepatocyteまで分化誘導する。3)分化誘導後のhepatocyteをHNF4α、FOXA2、CEBPB、アルブミンで評価する。特にHepatocyteのHNF4αは蛍光免疫染色を用いる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に則り、研究は遂行している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は1)endodermまで誘導後さらにSOX17(endodermマーカー)とNanogの評価として、蛍光免疫染色とPCR法を用いて評価する。2)endodermへ分化した細胞をhepatocyteまで分化誘導する。3)分化誘導後のhepatocyteをHNF4α、FOXA2、CEBPB、アルブミンで評価する。特にHepatocyteのHNF4αは蛍光免疫染色を用いる予定で、随時、iPS細胞であることを確認し、実験を遂行していく予定である。また、iPS技術の臨床応用のためには、安全性の検証が必要である。iPS細胞の癌化の可能性についてはその安全性を検証する。
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