今後の研究の推進方策 |
Tissue microarray (TMA)は、JASPAC 01検体326例中103例で構築されており、新規予後予測因子として抽出された上位10遺伝子について免疫染色を行い、追伝子発現と生存成績との相関性を解析する。また予後関連遺伝子を認めた場合(P<0.1を目安に)、223例のvalidation setでの免疫染色に進み、新規予後予測バイオマーカーとなるかを検証する。 JASPAC 04検体におけるにおける測定因子候補は、JASPAC 01付随研究でバイオマーカー候補として解析した22遺伝子のうち有望な12遺伝子(SLC29A1, TP53, DPYD, TYMS, EGFR, CDKN2A/p16, SMAD4/DPD4, SPARC, RRMl, UMPS, HuR, E2F7)を対象とするが、上記Cancer Panel解析でバイオマーカー候補が得られた場合、検討対象として追加する。JASPAC 01に付随するバイオマーカー研究では、FFPE 1検体あたり1μg、OD260/280の純度指標では、1.9程度の品質でRNAが採取されており、JASPAC 04検体においても同様の手順で行う。免疫染色は、JASPAC 01検体を用いた付随研究ですでに条件設定は終了しており、同条件で染色を行う。免疫組織染色の判定については各抗体で染色された腫瘍細胞の染色強度および陽性占拠率をJASPAC 01組織外の研究協力者である病理専門家が中央判定し、スコア化する。 原発巣及び再発巣が切除された20例に関して、核酸の抽出、mRNA発現解析を上記と同様の手順で行う。原発巣と再発巣との間で遺伝子発現の比較検討を行い、膵癌の進化モデル、化学療法の影響について検討する。mRNA発現量の測定結果から薬剤感受性・予後予測に有用な遺伝子に対し、免疫染色を行う。
|