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2021 年度 実施状況報告書

膵内分泌腫瘍モデルマウスを用いたアミノ酸代謝異常を介した発がん機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K08705
研究機関名古屋大学

研究代表者

堀 美香  名古屋大学, 環境医学研究所, 講師 (60598043)

研究分担者 筆宝 義隆  千葉県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 部長 (30359632)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードグルカゴン遺伝子欠損マウス / 膵内分泌腫瘍 / α細胞 / 発がん / オルガノイド
研究実績の概要

膵内分泌腫瘍(panNET)は希少がんとして知られ、一部の症例はがん抑制遺伝子MEN1変異により家族性に発症するが、その分子機構はほぼ未解明である。代表者のグループが樹立したグルカゴン遺伝子欠損マウスは、生下時から高アミノ酸血症を呈し、α細胞の過形成が認められ、10か月齢程度からpanNETが発生する。しかしながら、グルカゴン遺伝子欠損マウスにおいて、高アミノ酸血症が panNETの発がん過程にどのように関わるのか明らかではない。本研究では、グルカゴン遺伝子欠損マウスに発生したpanNET及び α細胞の特性解析を行うことで、panNETの発症機構に関する因子を細胞・個体レベルで明らかにし、panNETの発がん過程を解明することを目的とする。本年度は、グルカゴン遺伝子欠損マウスから自然発生した panNETの生物学的特性解析のため、12か月齢のグルカゴン遺伝子欠損マウスの各臓器、膵臓非がん部、がん組織の凍結・ホルマリンサンプルを得た (n=15)。panNETの組織切片を作製し、免疫組織学的解析により GFP陽性細胞が含まれていることを確認した。グルカゴン遺伝子欠損マウスは高蛋白食負荷により高アミノ酸血症が悪化することから、高アミノ酸血症がpanNET形成を促進するのか確認するため、4週齢のグルカゴン遺伝子欠損マウスに高蛋白食を負荷したが、10週間の負荷が限界であり、膵病理切片において前がん病変は認められなかった。グルカゴン遺伝子欠損マウス由来panNETについて酵素処理を行い、オルガノイド培養を行った。グルカゴン遺伝子欠損マウスは、グルカゴン遺伝子のコード領域をGFP cDNA に置き換えており、α細胞はGFP陽性であるが、panNETの培養オルガノイドではGFP陽性細胞の増殖は認められず、α細胞と関連するかは不明であるが、GFP陰性の膵管様細胞の増殖が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

panNET 特性解析のためのサンプルを得るのに時間がかかったため、やや遅れている。

今後の研究の推進方策

panNET 由来細胞培養では、増殖因子の添加等の培養条件の検討やスフェロイド培養を行う。今年度でpanNET 特性解析のためのサンプルが得られたので、全ゲノムシーケンスやRNA シーケンス、免疫染色を実施する。

次年度使用額が生じた理由

panNET 特性解析のためのサンプルを得るのに時間がかかり、全ゲノムシーケンスやRNA シーケンスを実施できなかった。これらの解析費用を次年度に繰り越しした。次年度にこれらの解析を実施する。

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公開日: 2022-12-28  

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