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2021 年度 実施状況報告書

空間的トランスクリプトーム解析によるCAF誘導性大腸癌免疫リモデリング機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K08713
研究機関九州大学

研究代表者

佐田 政史  九州大学, 大学病院, 助教 (10783508)

研究分担者 甲斐 昌也  九州大学, 大学病院, 助教 (10755242)
藤田 逸人  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40611281)
三好 圭  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (70755272)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード大腸癌 / CAF / heterogeneity / 腫瘍微小環境
研究実績の概要

転移・再発大腸癌の治療成績は不良で、予後向上のためには転移・再発機序の詳細な分子細胞学的基盤の解明が必要である。癌の維持・進展における腫瘍微小環境の間質細胞や免疫細胞の細胞間ネットワークや分子基盤が明らかになってきているが、癌関連線維芽細胞(CAF)が腫瘍免疫応答に与える影響は未だ不明な点が多い。腫瘍免疫抑制性のCAFサブセットを制御する、あるいは免疫促進性のCAFサブセットを誘導することが可能となれば、再発・転移性大腸癌治療における大きなブレイクスルーとなることが期待される。本研究では、CAFの機能的なheterogeneityが導く免疫リモデリング機構を、大腸癌組織の空間的トランスクリプトーム解析を足掛かりに解明することを目的とする。
本年度は、大腸癌組織を採取し、シングルセル解析を行った。特にCAFや免疫細胞についての解析を行い、複数の大腸癌組織における腫瘍内のCAF、免疫細胞のheterogeneityを明らかにした。すでに大腸癌を含む消化器固形癌50例を超えるライブラリー作成をしている。大腸癌以外の固形癌とのCAF、免疫細胞の比較も可能である。解析はRパッケージSeuratを用いて行っており、単一細胞由来のRNA発現からその細胞集団の特徴や機能に着目した解析や、分化の方向性を調べる疑似系譜解析、細胞間相互作用の解析などを行っている。
また、樹立したオルガノイドとの共培養に用いることを目的として、採取した大腸癌組織からCAFの樹立も行っている。
本研究室では、すでに膵癌オルガノイドの樹立に成功しており、大腸癌でもオルガノイドの樹立を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

シングルセル解析のためのライブラリー作成は安定した結果を得ることができるようになっている。大腸癌のオルガノイドが樹立できれば、すでに樹立したCAFとの共培養により、生体内に近い腫瘍微小環境を再現した実験および機能解析を行うことが可能と考える。

今後の研究の推進方策

当研究室ではすでに膵癌のオルガノイド樹立に成功している。その手技に倣い、まずは大腸癌のオルガノイド樹立を目指す。大腸癌を含む固形がんのシングルセル解析を遂行中であり、得られた知見からオルガノイドを用いたCAFや免疫細胞との共培養実験を計画し、大腸癌のCAFが免疫微小環境に及ぼす影響の解明を目指す。
また、空間的遺伝子発現ソリューション(10X Genomics社Visium)によって、組織片上のトランスクリプトームを測定し、大腸癌微小環境におけるCAFと免疫細胞の遺伝子発現を視覚化・マッピングを目指す。

次年度使用額が生じた理由

大腸癌のオルガノイドが樹立できておらず、研究計画に遅れを生じているため。
次年度はオルガノイド作成のための試薬やシングルセル受託解析の費用に使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Single cell RNA sequenceを用いた家族性大腸腺腫症におけるmacrophageのheterogeneityの解明2021

    • 著者名/発表者名
      久野恭子、水内祐介、大内田研宙、中村祥一、奥田翔、大坪慶志輝、佐田政史、永吉絹子、寅田信博、進藤幸治、仲田興平、森山大樹、永井俊太郎、中村雅史
    • 学会等名
      第29回日本消化器関連学会週間(JDDW 2021)

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公開日: 2022-12-28  

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