研究分担者 |
後町 武志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40338893)
恩田 真二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10459620)
古川 賢英 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80624973)
春木 孝一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60720894)
白井 祥睦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10785364)
安田 淳吾 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90896870)
塩崎 弘憲 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30896816)
田中 真二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30253420)
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研究実績の概要 |
CAF由来および正常線維芽細胞(NF)培養液分泌エクソソーム内miRNAの網羅的解析(miRNAマイクロアレイ)を行ったところ、miRNA-150が検出された。次にヒト正常肝細胞、星細胞、正常線維芽細胞およびCAFにてmiRNA-150の発現量を定量的RT-PCRを行ったところ、CAFおよびCAF由来エクソソームでmiRNA-150の発現低下を認めた。さらにCAF関連エクソソームと共培養した肝癌細胞株Huh7およびHep3BではmiRNA-150の高発現をみとめた。CAFによ肝細胞癌細胞に対するmiR-150の発現亢進効果が肝細胞癌細胞の遊走浸潤能力に抑制的に働いていることが明らかとなった。臨床検体においては、82症例の肝細胞癌患者において血清miRNA-150発現量をRTPCRにて定量したところ組織学的に線維化が進行している症例においてmiRNA-150の発現が低下していることが明らかとなった。miRNA-150低値群では肝細胞癌結節被膜浸潤がより低度であり(72% vs. 88%, p=0.03)、recurrence free survival rateがより低下していた。さらにtargetscan, linedomics, miRDB, exiqonを使用してmiRNA-150に関連する共通遺伝子を検索したところ、miRNA-150と負の相関を強くみとめる因子としてCDH-2すなわちNカドヘリンが同定された。western blottingにてCDH-2の発現をmiRNA-150mimicの投与による影響を確認したところ、明らかにてCDH-2/Nカドヘリンの発現が抑制されていた。CHD2高発現群では肉眼的脈管浸潤陽性および肝内転移陽性症例が統計学的に有意に高率であち、生存率(p=0.04)および無再発生存率(p=0.01)においても有意に予後不良であった。
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