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2021 年度 実施状況報告書

メタボローム解析によるKupffer細胞代謝を標的としたNASH肝細胞癌の治療

研究課題

研究課題/領域番号 21K08720
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

廣川 文鋭  大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (20322373)

研究分担者 高井 真司  大阪医科薬科大学, 医学研究科, 教授 (80288703)
辻川 和丈  大阪大学, 薬学研究科, 教授 (10207376)
谷口 高平  大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70779686)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード非アルコール性脂肪性肝炎 / 肝細胞癌 / Kupffer細胞
研究実績の概要

近年、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の罹患率が上昇している。一部のNASHから肝細胞癌が発症することがとくに問題であるが、その発症機序は未だ不明であり、本邦で承認されている肝細胞癌の治療薬も一剤のみで開発に乏しい。また、様々な癌腫の発癌過程において、マクロファージのM1型からM2型への分極化が注目されており、新たな治療標的として期待されている。本研究では、肝特異的マクロファージであるKupffer細胞をNASH肝より分離し、Kupffer細胞の分極化に伴う代謝産物変化を明らかにすることを目的としている。
本年度は、動物モデル飼育に長期間を要するためin vitro実験を中心に行った。マウス由来Kupffer細胞株であるKUP5にLipopolysaccharide(LPS)を導入し分極化実験を行った。LPSを導入した細胞を回収しWestern Blotting法で解析したところ、M1型マクロファージマーカーであるCD86の上昇およびM2型マクロファージマーカーであるCD163・CD206の発現低下を認め、LPS導入によりM1型に分極することを確認した。また、発癌前のマウスNASHモデル(C57BL/6J-NASH)ではCD86の発現上昇およびCD163・CD206の発現低下を認め、NASH肝ではM1型マクロファージが増加していることが示唆された。今後は、この動物モデルを長期飼育し発癌を確認したうえで上記と同様にマクロファージの分極化の確認を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

LPS導入時の濃度・時間調整に時間を要したが、濃度調節することで問題は解決された。動物モデルの購入時期遅れが生じたが、前回の助成事業で使用した動物モデルサンプルを用いることで可能な範囲の実験を行うことができた。

今後の研究の推進方策

発癌を認めたNASH動物モデルよりKupffer細胞を分離しメタボローム解析およびRNA・タンパク発現解析を行う。
NASH動物モデル(C57BL/6J-NASH)を長期飼育し肝細胞癌の発癌を確認し、Kupffer細胞をコラゲナーゼ還流法により分離する。分離したKupffer細胞をメタボローム解析し、代謝産物の動態を確認する。また、その代謝産物の調整遺伝子・タンパク同定ができればRT-PCR法・Western Blotting法で発現を定量化する。

次年度使用額が生じた理由

自研究室において以前より所持していた抗体・試薬を使用したため次年度使用額が生じた。また本年度は、新たな抗体や動物モデルを購入する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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