研究課題/領域番号 |
21K08734
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田邊 和照 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (40379847)
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研究分担者 |
坂本 直也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, ユニット長 (20571798)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | オルガノイド / 胃癌 / 薬剤感受性 / 個別化療法 |
研究実績の概要 |
令和3年度の研究計画は,われわれが確立した患者由来胃癌オルガノイドをマトリゲルに包埋しない方法(オーバーレイ法)によって免疫接触をおこなえるモデルを作成した。これを用いて,実際の患者由来NK細胞と接触させることにより細胞傷害性の確認ならびに免疫チェックポイント阻害剤を加えた場合の細胞傷害性の変化ならびにNK細胞上のPD-1やCTL4といった疲弊マーカー発現変化についても解析する予定であった。 研究計画に基づき,胃癌オルガノイドに対するNK細胞生涯試験を実施中である。患者由来NK細胞を患者由来胃癌オルガノイドに接触させ免疫チェックポイント阻害剤の有無によってNK細胞上の疲弊マーカーの発現変化などを解析することとし,これまで,10検体程度に対し障害性試験を実施してきた。しかしながら,患者由来NK細胞の採取可能数が思いの外少ないためか,NK細胞を接触させた際の細胞傷害性が安定した結果が得られず,そのため十分な解析にいたっていないのが現状である。現在,細胞障害試験の手技について,確認中である。末梢血単核球を用いた検討では,細胞傷害性自体に問題はないことは再確認できており,現在,接触させるNK細胞数を振ったり,ウェルの大きさを変えたりして実施を行うなど調整をしているが,細胞障害試験そのものの変更の必要性も含めて検討中である。この問題が打破できれば,令和4,5年度に計画していた遺伝子解析にもすすめるものとかんがえている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで,上述の通り,10検体程度の細胞傷害性試験を実施してきたが,患者由来NK細胞の採取可能数が思いの外少ないためか,障害性試験が安定した結果が得られていないのが現状である。。現在,オルガノイドに対する細胞障害の手技そのものが問題なのかを確認したが,そちらには問題はなさそうであり, NK細胞接触させた際の手技の安定性を確認中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在,接触させるNK細胞数を変化させたり,接触させるウェルのサイズを変更したりと調整を行っているが,場合によっては,細胞傷害性試験の方法そのものを別の方法を用いるなども検討している。これを早急におこなって,予定していた遺伝子発現変化の検討に勧めたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が,当初した計画通りに進んでいないこともあり,本来予定していた網羅的なマイクロアレイの解析などがまだ行えていないことや,コロナ禍の影響か,必要な物品の納入が遅れていることも次年度使用額が生じた理由として考えています。
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