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2022 年度 実施状況報告書

虫垂切除がパーキンソン病に与える影響に関する機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K08742
研究機関順天堂大学

研究代表者

福永 哲  順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (20245731)

研究分担者 李 賢哲  順天堂大学, 医学部, 助教 (30758321)
小林 敏之  公益財団法人環境科学技術研究所, 生物影響研究部, 主任研究員 (40260070)
折田 創  順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (50465069)
波田野 琢  順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60338390)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードパーキンソン病 / 虫垂 / αシニクレイン
研究実績の概要

これまでに、慢性炎症患者26例の虫垂から抽出溶液の調製を行った。ウェスタンブロット法にてASの存在を検討したところ、ほぼ全ての患者でASのタンパク質バンドを確認した。興味深いことに、患者間でASタンパク質の量やバンドの大きさに差異があることを強く示唆する結果を得た。また、病理標本の観察から炎症の程度等を判定して相関を検討したところ、いくつか相関が示唆されるパラメータを見出した。同時に、抽出溶液の調製方法に改善の余地があることも確認することができた。現在、改善した方法で改めてサンプル調製を行なっていくところである。次に、ASタンパク質を質量分析法で解析するため、精製方法の確立を試みた。まず、実験条件確立のための予備実験に貴重な患者検体を使用することを避けるため、培養細胞を用いて行なう方法を確立した。次に、免疫沈降の条件を至適化した。現在、培養細胞のASタンパク質を免疫沈降して、銀染色法でバンドとして確認できるようになっている。今後は、一連の実験条件を完全に整え、患者検体からASタンパク質を精製する予定である。その後、質量分析に進む計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初、ASの発現には差があるものと予想し研究を開始したが、慢性炎症患者ほぼ前例に、可溶性画分に多くの凝集体(Oligo)、単量体(Mono)の蓄積が確認された。また、複数の検体でPD Brainには確認できなかった急速に凝集しやすい切断型Monoが多く確認された。この為、この検出がエラーではなく、ASの凝集をしっかりととらえているのか、追実験を行い、検証に時間を費やしたため、時間を要した。

今後の研究の推進方策

切断型Monoはいくつかのプロテアーゼによって切断されることは判明されているが、虫垂における切断メカニズムは明らかとなっていない。また、切断型Monoが迷走神経を介して脳に伝搬されるかは不明である。今後は、虫垂における切断型Monoがどのような構造なのかLC-MSを用いて確認。さらに、虫垂における切断型Monoを引き起こすプロテアーゼまたは腸内細菌叢の探索を次世代シーケンサーを用いて行なうと共に、正常型Mono、切断型Monoの発現パターンの違いによるASの凝集効率をRT-QuIC法を用いて確認、切断型Monoの腸脳連関による脳への伝搬メカニズムの解明をマウスモデルを用いて検討していく。

次年度使用額が生じた理由

今年度、再度科研費Cに応募予定であり、本研究は継続している為。

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公開日: 2023-12-25  

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