研究課題/領域番号 |
21K08749
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
佐野 彰彦 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20431702)
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研究分担者 |
佐伯 浩司 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80325448)
宗田 真 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (70507326)
横堀 武彦 群馬大学, 未来先端研究機構, 准教授 (60420098)
酒井 真 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (70420099)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | HSP110 / PD-L1 / luciferase assay |
研究実績の概要 |
実験計画1) 胃癌切除検体における免疫チェックポイントタンパク、HSP発現評価:治癒切除を行った臨床検体198症例について、免疫染色にてHSP110発現を検討した。核内におけるHSP110高発現群は、低発現群と比較し、有意に予後不良であった。臨床病理学的因子との検討では、腫瘍径、腹膜播種の有無、リンパ節転移の有無、分化度との相関は認めなかったが、病理学的な静脈侵襲の有無とHSP110発現に有意な相関がみられた。リンパ球マーカー(CD8)との相関は認めなかった。PD-L1との関連が示唆される結果も得られており、考察を重ねていく予定である。 実験計画2) 細胞株を用いた温熱治療の意義の検証:GeneX抑制細胞株における温熱治療の意義の検討として、TE8細胞株およびHCT116細胞株を用い、温熱およびGene X抑制による細胞増殖の抑制が確認された。またGene X抑制と温熱治療を併用することにより、有意に増殖が抑制された結果が得られた。 実験計画3) 担癌モデルを用いた動物実験による検証:胃癌腹膜播種モデルにおける腹腔内温熱加療の意義について、ルシフェラーゼアッセイを用いた腹膜播種モデルマウスによる検討を行った。これにより定量的評価が可能となり、温熱加療により、また温熱加療とGene Y抑制併用胃癌モデルにて腹膜播種数が減少したことが確認された。すなわち、Gene Yを標的とした治療ツールの増感剤として期待される可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞実験・動物実験については、手技上の点や評価を含め実験計画と比較してやや遅延がみられている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床検体については、さらに他の免疫マーカー、リンパ球マーカー、HSPなどについても免疫チェックポイントタンパクとの相関につき調査・検討していく。 細胞・動物実験については、さらにデータを増やしていく。また、ヌードマウスに残っているマクロファージを介した免疫反応性とGene Y標的治療の意義について、今後検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画と比較し、実施状況の遅延があり、それに基づき次年度使用額が生じている。 次年度も使用させていただき、継続した実験を行う計画である。
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