研究課題
実験計画1) 胃癌切除検体における免疫チェックポイントタンパク、HSP発現評価:治癒切除を行った臨床検体198症例について、免疫染色にてHSP110発現を検討した。核内におけるHSP110高発現群は、低発現群と比較し、有意に予後不良であった。臨床病理学的因子との検討では、腫瘍径、腹膜播種の有無、リンパ節転移の有無、分化度との相関は認めなかったが、病理学的な静脈侵襲の有無とHSP110発現に有意な相関がみられた。リンパ球マーカー(CD8)との相関は認めなかった。PD-L1発現とHSP110発現は統計学的に有意な相関がみられた。実験計画2) 細胞株を用いた温熱治療の意義の検証:GeneX抑制細胞株における温熱治療の意義の検討として、TE8細胞株およびHCT116細胞株を用い、温熱およびGene X抑制による細胞増殖の抑制が確認され、Gene X抑制と温熱治療を併用することにより、有意に増殖が抑制された結果が得られた。また、膵癌細胞株であるSUIT2のCCK8アッセイによるGene Y抑制と温熱感受性の変化に対する検討では、Gene Y抑制により温熱治療の感受性が増強することが確認された。マウス大腸癌細胞株(MC38)を用いた検証では、HSP阻害薬(KNK437)+温熱療法(42℃, 2時間)により抗腫瘍効果が得られることが確認された。実験計画3) 担癌モデルを用いた動物実験による検証:担癌マウスを用いた動物実験に対して、Hot Plate Methodを用いた温熱療法を実施することで、Tumor volumeの有意な減少がみられることが確立出来た。胃癌腹膜播種モデルにおける腹腔内温熱加療の意義について、ルシフェラーゼアッセイを用いた腹膜播種モデルマウスによる定量的評価が可能となることが予備実験として確認出来ている。
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