研究課題
頭頸部・食道には多中心性に扁平上皮癌が発生する。その発生には喫煙、飲酒等の環境因子が強く関与するとともに、胃癌等の重複癌の発生も臨床上、極めて重要である。我々は、本領域の多重癌・他臓器の重複癌の発生に着目し、分子生物学的機序を報告するととともに、治療成績向上に向け臨床研究を重ねてきた。近年、喫煙・飲酒歴陰性食道癌も増加する一方、神経内分泌癌(NEC)などの特殊型の発癌も注目されている。本研究は、特殊型も含む食道癌・頭頸部癌の発生・進展過程ならびに多重癌・重複癌の発生メカニズムを組織損傷・修復に着目し、喫煙・飲酒との関連も含め解明する。さらに難治性の食道癌、頭頸部癌ならびに重複癌の予防および個別化治療の確立につなげる。本年度は、1)扁平上皮癌と分化過程で共通の起源を有するとも考えられる特に難治性のNECにつき検索した。当院の検体を用い、食道のみならず胃・大腸NECの臨床病理学的検討を行った。さらに、食道NECに関する全国調査に参加しその結果を報告した。2)大酒家における飲酒歴と食道癌罹患に関するメタアナリシスを行い、摂取量と食道癌発生の相関を報告した。3)食道癌術後の異時性重複胃癌(胃管癌)の臨床病理学的特徴に関して全国調査を行い解析し発表した。
2: おおむね順調に進展している
計画通りに、多角的に研究を遂行すると共に、その成果を下記のように学会・論文として発表している。1) NECに関する研究:第121回日本外科学会総会、J Gastroenterol 20212) アルコール摂取と食道癌罹患 :Esophagus 20223) 食道癌術後の異時性重複胃癌(胃管癌)に関する研究:第75回日本食道学会学術集会
喫煙・アルコール摂取に着目し組織障害・修復系と発癌につき分子生物学的検討をすすめるとともに、食道・頭頸部領域の癌多発の発生メカニズムに関する研究も推進するとともに、異時性胃癌の発生、外科的治療についても検討する。一方、難治性のNECの発生機序、特徴を明らかにし個別化治療戦略につき考察する。
コロナウイルスの影響で学会参加がオンラインとなったため、旅費の使用が予定より少なくなった。次年度以降の成果発表などに関する費用に充てる予定。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (16件)
Esophagus
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