研究課題/領域番号 |
21K08779
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
岩本 千佳 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (10752842)
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研究分担者 |
大内田 研宙 九州大学, 大学病院, 講師 (20452708)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 膵癌 / マクロファージ / 免疫チェックポイント / 微小環境 |
研究実績の概要 |
膵癌は癌死の4位を占め、5年生存率が8%と予後不良な癌の一つである。唯一の根治的治療である外科的切除例でもその5年生存率は15%と生物学的悪性度が高く、他の消化器癌に比べいまだ効果的な治療法がない。また、膵癌はPD-L1の発現やneoantigenの発現も少なく、組織内へのリンパ球浸潤が非常に乏しい「cold tumor」であるため、他の癌腫で有効な免疫チェックポイント阻害薬が効きにくいとされる。一方、造血器腫瘍において、マクロファージ免疫チェックポイント分子の制御により腫瘍細胞が減少し、強力かつ持続的な奏功が報告されている。しかし、膵癌における有効なマクロファージ免疫チェックポイント分子やその作用機序はほとんど解明されていない。そこで、マクロファージ免疫チェックポイントによる膵癌微小免疫環境の維持機構を解明しようと考えた。まず、膵癌患者の切除膵を用い、膵癌組織内に浸潤している免疫細胞のphenotypeをFCM解析と免疫組織染色にて評価したところ、免疫細胞の浸潤自体、他の癌腫と比較して非常に少ないが、マクロファージや樹状細胞、Tリンパ球の浸潤を認めた。一方で、NK細胞の浸潤はほとんど見られなかった。次に、膵癌患者の切除膵を用いマクロファージ免疫チェックポイント分子の発現量を評価した。評価したマクロファージ免疫チェックポイント分子の中で、発現量に差が見られる傾向を示す分子を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
膵癌組織へ浸潤している免疫細胞のphenotype解析については複数症例にて解析が進んでおり、また、膵癌組織内でのマクロファージ免疫チェックポイント分子の解析についても症例を重ねている段階で、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
発現解析を行う膵癌患者切除膵の検体数を増やし、術前化学療法の有無の2群わけて解析できるよう検体数を確保する。また、マクロファージ免疫チェックポイントに関わる膵癌細胞側の分子についても発現を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者が今後使用予定です。
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