研究課題/領域番号 |
21K08792
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉住 有人 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (90895856)
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研究分担者 |
高屋敷 吏 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (30456024)
久保木 知 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (50571410)
細川 勇 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60623676)
酒井 望 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (70436385)
大塚 将之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90334185)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Tetraspanin15 / ADAM10 / Notch1 / EMT / CSC-like property |
研究実績の概要 |
昨年度に肝内胆管癌のFFPE切片を用いた免疫染色やヒト肝内胆管癌細胞株であるHuCCT1とHuH28を用いたin vitroでの実験でTetraspanin15(Tspan15)がEMTの促進や癌幹細胞能の増強に関与することが実証されたので、今年度はどのようなメカニズムでそれらに関与するのかを明らかにするべく研究を実施した。既報ではTspan15はA disintegrin and metalloproteinase (ADAM10)の発現を制御するとされており、Tspan15とADAM10の関係について検討を行った。まず、肝内胆管癌の切除標本および肝内胆管癌細胞株においての蛍光免疫染色ではTspan15とADAM10が共に細胞質および細胞膜に発現してMERGEしており、共発現していることを確認した。次にWestern blottingおよびFlow cytometryを用いてTspan15の発現が変化した際のADAM10発現について評価した。Tspan15の発現が変化してもpro-ADAM10、いわゆる非活性型のADAM10発現は変化しなかったが、細胞表面のADAM10、いわゆる活性型のADAM10の発現は有意に変化した。また既報ではADAM10はNotch1の細胞外ドメインをsheddingすることにより、Notch1のsignal伝達に関与するとされており、Tspan15、ADAM10をknockdownした際の核内移行したNotch1の細胞内ドメインの発現をWestern blottingにて評価し、Notch1活性を検討した。Tspan15高発現株であるHuCCT1ではTspan15、ADAM10のknockdown後に核内のNotch1細胞内ドメインの発現が有意に減少した。以上より、Tspan15はADAM10を細胞膜表面へ輸送してADAM10を活性化させ、ADAM10の働きによりNotch1の細胞内ドメインを分離することでNotch1を活性化し、EMTの促進や癌幹細胞能の増強に関与することが明らかになった。
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