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2022 年度 実施状況報告書

膵島移植における免疫隔離膜を応用した皮下移植の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K08794
研究機関福井大学

研究代表者

村上 真  福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (00334821)

研究分担者 森川 充洋  福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (20569131)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード膵島移植 / 皮下移植 / 腹腔内移植 / 人工膵
研究実績の概要

ラット10週齢雄2匹より膵島を分離し、3.0%アガロース0.65mlを用いて封入した。封入の形態は、ブロック状、シート状、マイクロカプセルの3タイプを作成した。まず最初に、腹腔内に移植し、移植後の飲水量/dと体重の変化を1.5か月観察した。
レシピエントは、ストレプトゾトシンを腹腔内投与して、飲水量が50~70ml/d、体重が200~220g、血糖値が250㎎/d以上のものを用いた。当初、移植の効果を血糖値で評価する予定であったが、in vitroの実験で、封入された人工膵はグルコースの変化に対する反応が遅く随時血糖を下げるだけの能力は無いと判断し、飲水量の減少量と体重の増加量で移植効果を評価する事とした。
それぞれのタイプにおいてn=5で行った。続いて、ラットの背側皮下にポケットを作成し、皮下移植を行った。腹腔内移植と同様にそれぞれのタイプにおいてn=5で行っている。シート状とマイクロカプセルが終了しており、ブロック状のものは観察中で比較はできないが、
シート状は、腹腔内移植(n=5):体重19.3%増加、飲水量31.3%減少、皮下移植(n=5):体重10.8%体重増加、37.1%飲水量低下であった。マイクロカプセルは、腹腔内移植(n=4):体重21.1%増加、飲水量48.5%減少、皮下移植(n-3):体重11.4%体重増加、飲水量13.6%低下であった。全体の傾向としては、腹腔内移植の方が皮下移植よりも移植効果は良好であった。皮下移植ではシート状、腹腔内移植ではマイクロカプセルの移植効果が高かった。移植後1.5か月目の血糖は、いずれも低下はするが、250mg/dl前後で正常には至っていなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年7月頃までに、各タイプにおいてn=5は達成可能である。
皮下移植片の組織学的観察は、膵島がアガロースに封入されているため組織の固定や薄切が困難となっている。正確に評価できない場合には実態顕微鏡による観察で移植前膵島と比較して代用する。
当初予定していた移植効果の判定は、随時血糖測定から飲水量と体重の変化に変更した。その根拠は、基礎実験で10週齢ラット(メス)は非DMは約30%/mの体重増加をするのに対し、DMラットの体重は-5.2%/m(-14.8~0.04)と横ばいか減少する事が判明し、頻回の血糖測定が回避でき、随時血糖値よりも封入された膵島の機能評価に優れていると思われた。

今後の研究の推進方策

ブロック状とマイクロカプセル状の人工膵移植をn=5になるまで進める。これまでの実験で血糖が500mg/dlを超えるレシピエントもある。この実験では随時血糖が完全に正常化はしないので、移植前の条件を、血糖値350mg/dl前後、体重や飲水量をある程度揃えたほうが良いと思われるので、nをもう少し増やす予定である。
3タイプのうち最も効果があるものを用いて、ドナーを2匹から3匹に増やし、より移植効果が出るかを検討してみる。

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公開日: 2023-12-25  

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