研究実績の概要 |
これまでに8種類の肝がん細胞株についてßカテニンの遺伝子異常の有無をシーケンスによる確認し、以下の2グループに分類した。ベータカテニンmut: HepG2, Hep3B, PLC/PRF/5, HLE, ベータカテニンWT: Huh7, SH-Hep1 CDH1を強制発現させるために現在まで以下の実験を遂行している。すなわちCDH1の転写領域全長(2,807bp)をpCDH-EF1-T2A-Puro(レンチウィルスベクター)にサブクローニングした。今後は上記のベータカテニンmut の各細胞株にトランスフェクションすることによりE-カドヘリンの発現を誘導する。トランスフェクションの効率については48時間後に免疫染色によりE-カドヘリンの細胞膜への局在で判定する。CDH1発現によるベータカテニンの核内移行の影響についても、免疫染色によりトランスフェクション前後の細胞株を比較検討する予定である。 CTNNB1 mut過剰発現についてもベータカテニンmutを有する細胞株HepG2よりCTNNB1の全長(3,488bp)をサブクローニングした。トランスフェクションは上記の方法でベータカテニンWT細胞株に今後行う予定である。さらにこれらのDNA導入した細胞株についてsiRNAによりCDH1をノックダウンする。 上記で作成した肝がん細胞について、今年度中にRNAシーケンスによりWNT下流遺伝子の発現レベルの変化、WNTパスウェイの活性化を確認する予定である。 さらに、上記で作成した細胞株についてそれぞれカドヘリン発現の有無で細胞増殖能、細胞遊走能、細胞浸潤能などを比較し、肝がん細胞の悪性化について比較検討する予定である。
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