研究課題/領域番号 |
21K08822
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
寒川 延子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (30432579)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 再生医療 |
研究実績の概要 |
ヒト組織間葉系幹細胞(MSC)を用いた再生医療では、現状、臨床的有効性の相違が認められていることから、本研究では疾患環境におけるMSCの細胞特性、多様性の分子機構の解明を目指している。 ヒト臍帯由来間葉系幹細胞、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞を通常培養条件下(20%酸素、10%血清)と、病態を模したin vitroの培養系として低酸素条件下(5%酸素)または低栄養条件下(5%血清、1%血清)で培養を行い、細胞の形態、増殖能、発現分子、サイトカイン産生等の比較を試みた。低酸素条件下では、いずれのMSCにおいても、通常培養条件下に比して、2日目までは細胞の形態に大きな違いは認められなかったが、その後は細長く線維芽細胞状の形態が目立つようになった。一方、低酸素条件下の増殖率は、いずれのMSCにおいても2日目までは有意な差は認められなったが、2日目から検討を行った5日目において、通常培養条件下に比して有意な低下が認められた。低栄養条件下の培養は、昨年度に比べると安定はしてきているものの、未だばらつきが大きいため引き続き検討を行なっている。 加えて、低酸素条件下でヒト心筋細胞あるいはヒト冠状動脈平滑筋細胞をそれぞれのMSCと共培養し、サイトカイン産生、遺伝子発現変化の検討を進めている。ヒト心筋細胞には、市販されている正常ヒト初代培養細胞とヒトiPS細胞由来心筋細胞を使用している。本年度は、シングルセル解析、プロテオーム解析、mRNA-Seq解析に供するサンプルの回収に注力し、解析自体は、次年度にかけて進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、実験に用いる間葉系幹細胞(MSCs)は市販のものを購入しているが、納入にやや時間がかかったことと、細胞の起眠後の増殖が非常に遅く、培養がうまくできなかった。また、昨年度はMSCから心筋細胞、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞等への分化誘導法の確立を行い、ある程度の目処が立ったと考えていたが、株が変わると安定しないことが多く、培養に難航した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に回収したサンプルをシングルセル解析、プロテオーム解析、mRNA-Seq解析にかけ、その結果をもとにメカニズムについて検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
受託解析のサンプル提出が年度内に間に合わなかったため、次年度での支払いで賄う予定である。
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