研究課題/領域番号 |
21K08824
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
藏澄 宏之 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50645116)
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研究分担者 |
鈴木 亮 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10570319)
美甘 章仁 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30372709)
濱野 公一 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60263787)
齊藤 寿郎 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60648484) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 再生医療 |
研究実績の概要 |
前年度は、LAD結紮したマウスモデルの心臓組織で、梗塞領域および境界領域における組織からmRNAを抽出し、mRNAアレイ解析したところ、梗塞領域と比較して境界領域で発現レベルが10倍以上高い遺伝子は30個以上あり、その中で、細胞表面抗原分子と予測された遺伝子11個を特定した。今年度は、梗塞領域および境界領域の組織に対して、細胞表面抗原分子と予測された11個の遺伝子の発現レベルをqPCRで解析したが、有意差を示す結果を得ることはなかった。 また、これまでLAD結紮したマウスモデルの梗塞領域を含む心臓組織と、Sham(開胸のみ)の心臓組織からmRNAを抽出し、mRNAアレイ解析およびqPCR解析から、LAD結紮したマウスモデルの梗塞領域を含む心臓組織において、細胞表面抗原分子と予測されるポタジウムチャネルKcne3のmRNA発現レベルが上昇していた。Kcne3は、sprouting angiogenic tip-cellsのマーカーとして報告されている。LAD結紮したマウスモデルの梗塞領域を含む心臓組織とShamの心臓組織における病理切片に対して、Kcne3の発現を免疫染色で確認したところ、LAD結紮したマウスモデルの梗塞領域を含む心臓組織で顕著にKcne3が上昇しているとは判断できない結果であった。Kcne3の発現を各臓器(脳、肺、脊髄、肝臓、腎臓、脾臓、腸)で確認したところ、肺、肝臓、腎臓、脾臓で陽性を示す結果を得た。 心臓組織の梗塞領域を治療する標的として、梗塞領域および境界領域に特異的に発現する細胞表面抗原分子の探索を行ったが、これまでの解析方法では、梗塞領域および境界領域に特異的に発現する細胞表面抗原分子を得ることが出来なかった。今後は、更なる解析方法の工夫が必要であると考えた。
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