研究課題/領域番号 |
21K08829
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
志水 秀行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (50226247)
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研究分担者 |
吉武 明弘 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70327550)
川合 雄二郎 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (70898783)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 虚血性脊髄障害 / 大動脈疾患 / 再生医療 |
研究実績の概要 |
2021年度より脊髄虚血モデルラットを用いてrHGFの髄腔内投与実験を行なっている。モデルは胸骨部分切開にて開胸し、弓部大動脈を露出、13-15分間遮断することにより、脊髄虚血・対麻痺モデルを作成する。髄腔内投与はALZET浸透圧ポンプを用いて、28日間rHGFまたはPBSを髄腔内投与した。 2021年度から2022年度にかけてrHGFの高用量髄腔内投与(350μg /4weeks)で行なった。rHGF投与郡ではPBSに比較し、対麻痺作成後の歌詞運動機能の回復傾向を認めた。一方、回復傾向を認めるものの、回復の程度は軽度(BBB score 1ー5程度)であったほか、回復傾向を示すラットと全く回復傾向を示さないラットがおり、その二群間でのさらなる検討が必要と考えられた。また、2022年度より低用量群での投与を開始している。低用量群においても、rHGF群においてPBS群よりも下肢運動機能の回復傾向を認めている。各群n=4程度であり、現時点ではn数が少なく、さらなる検討が必要である。また組織学的評価についても並行して行なっている。rHGF群及びコントロールPBS群については、6週間の観察終了後に犠牲死させ、ラミネクトミーにて脊髄を愛護的に採取し、組織標本としている。HE染色まで行い、今後免疫染色にて組織学的な評価を追加していく。2023年度中に、脊髄虚血モデル動物に対するrHGFの髄腔内投与の有効性と至適用量を検討し、論文及び学会にて成果発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定では2022年度にラットの脊髄虚血モデルを用いて、rHGFの髄腔内投与量と脊髄虚血後の運動機能の回復の程度を評価することにより、髄腔内投与するrHGFの至適用量を評価する予定であった。 現在、高用量での投与実験は完了し、低用量での投与実験を行なっている。一回あたりの実験に相当の時間を要するため、やや進捗状況に遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
rHGF群においてPBS群よりも下肢運動機能の回復傾向を認めている。現時点ではn数が少なく、さらなる検討が必要である。rHGF群及びコントロールPBS群については、6週間の観察終了後に犠牲死させ、ラミネクトミーにて脊髄を愛護的に採取し、組織標本としている。今後組織学的な評価を追加していく。2023年度中に、脊髄虚血モデル動物に対するrHGFの髄腔内投与の有効性と至適用量を検討し、論文及び学会にて成果発表を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究においてはラットへの髄腔内投与用カテーテル留置及び浸透圧ポンプ移植、ラット脊髄虚血モデルの作成、6週間の観察期間など、一回の実験に相当の時間を要する。また、当施設における動物実験施設の改修工事により一時的に飼育施設が完全閉鎖されたため、進捗に若干の遅れを生じた。そのため、2022年度の使用額が予定より少なく、2023年度に繰り越すこととなった。2023年度には2022年度中に行う予定であった、脊髄虚血モデルラットを用いた研究を引き続き行う予定である。
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