研究課題/領域番号 |
21K08835
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉田 良太朗 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (00741745)
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研究分担者 |
濱中 洋平 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (10463788)
赤松 大二朗 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40420012)
原田 成美 東北大学, 大学病院, 助教 (70547413)
梅津 道久 東北大学, 大学病院, 助教 (00910647)
田島 悠太 東北大学, 大学病院, 助教 (90884908)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 下肢閉塞性動脈硬化症 / 動脈硬化症 / 腸内細菌 / メタゲノム解析 / メタトランスクリプトーム解析 / メタボローム解析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は動脈硬化症の進展において重要な要因となっている‘炎症反応’に細菌が如何に関与しているかを明らかにする事を目的としている。‘動脈病変局所における不顕性感染’または‘特徴的な腸内細菌叢’が産生する特異的な代謝産物等が遠隔的に働いて炎症の原因として関与しているものと推察している。人種間で腸内細菌叢が異なることが知られており、日本人における腸内細菌叢と動脈硬化との関連を明らかにすることは大きな意義がある。また本研究では病巣局所における感染が関わっているのかを明らかにするため組織における細菌をメタゲノム解析で検出して組織の炎症像との関連を明らかにするが、組織標本から同手法により細菌検出を試みた報告は世界でも類が無い。またメタトランスクリプトーム解析・メタボローム解析を用いて得られた細菌代謝産物と動脈硬化組織の炎症像との関係をヒトにおいて明らかにした報告はない。具体的には以下の研究を実行する。①下肢閉塞性動脈硬化症患者(lower extremity atherosclerosis: LEA)の動脈病変組織と糞便中の細菌をメタゲノム解析で同定し、動脈硬化巣と糞便中の最近の一致を検討する。局所における細菌の有無と動脈硬化組織における炎症との関連を検討する。②LEA患者の糞便からメタトランスクリプトーム解析を用いて細菌が発現する遺伝子と代謝系を明らかにする。併せて血液のメタボローム解析を行い、細菌発現遺伝子・代謝産物と動脈硬化組織の炎症との関連を検討する。③LEA患者と健常者の糞便をメタゲノム解析・メタボローム解析し比較する。④LEA患者と健常者の血液をメタボローム解析し比較する。⑤動脈組織のメタトランスクリプトーム解析・メタボローム解析を行い、局所の炎症像との関連を検討する。糞便中のメタトランスクリプトーム解析・メタボローム解析結果との比較検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の遂行にあたって、COVID-19蔓延下にあったため閉塞性動脈硬化症患者の紹介患者および手術数が大きく低下した。
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今後の研究の推進方策 |
感染状況および院内の指標を踏まえて研究を進めて参りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19蔓延下にあったため、病棟閉鎖や外来制限等の措置によって本研究の遂行が著しく停滞した。次年度は感染状況と院内の指針を適宜踏まえて研究を遂行して参りたい。次年度使用額は糞便・尿・唾液・動脈壁等のメタボローム解析、メタゲノム解析、メタトランスクリプトーム解析の費用に充てる。
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