研究課題/領域番号 |
21K08838
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
犬塚 和徳 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00397415)
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研究分担者 |
海野 直樹 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (20291958)
佐野 真規 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40733514)
嘉山 貴文 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (40897047)
片橋 一人 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (60839091)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 血管外科 / 腹部大動脈瘤 / 血管新生 / リンパ管 / MRI / PET / 刷り応力 / PDE阻害 |
研究実績の概要 |
【AAA壁における血管新生、リンパ管新生についての検討】凍結保存標本の検討:人工血管置換術を施行したAAA症例の切除瘤壁標本を用いて、壁の血管新生、リンパ管新生ともにCD31、podoplaninを用いて、免疫組織学的検討を行い、新生が活発に起きている内中膜、そこへの炎症細胞の浸潤について証明した。Differences in Vasa Vasorum Distribution in Human Aortic Aneurysms and Atheromas. Sano M, at el. Angiology 2022 【AAA患者におけるMRI 4D-fl ow解析】AAA症例数例に術前 MRI画像の4D-fl ow処理を試み、血流のベクトル解析、刷り応力値測定の解析を行い、コントロール群と比較して壁の刷り応力がどのように異なるかを検討している。AAA群では瘤化部分の刷り応力が著しく低下している傾向がみられている。 【AAA患者における開腹人工血管置換術の際の術中リンパ管造影検査の実施】大動脈瘤壁における実際的なリンパ還流状態を調べるため、術中ICG蛍光近赤外線カメラにて観察した。瘤壁全体でリンパ停滞および微小リンパ管増生が見られる。リンパ増生が切除大動脈壁のどの層(内膜、中膜、外膜)で停滞しているかを検討している。 【ラットAAAモデルでのPDE阻害薬の瘤破裂予防効果の検討】ラットAAAモデルにPDE阻害薬を投与して動脈瘤の変化を観察した。非投与群と比較して瘤壁の炎症、Hypoxiaを抑制しており、破裂予防に効果があることが証明された。K-134, a phosphodiesterase 3 inhibitor, reduces vascular inflammation and hypoxia, and prevents rupture of experimental abdominal aortic aneurysms. Unno N, at el. JVS Vascular Science 2021
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例数、検体数の取得が計画よりやや少ない。そのためにデータ収集と解析を並行して行っており、最終的な結果から考察に更なる時間を要すると思われる。 またラットの研究ではAAAモデルの作成に時間と高度の技術が必要な上、試験薬の投与方法、投与量など試行錯誤で行っており、時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
測定手法も確立してており、設備も大学内に整っていることから、当面は研究を継続できる体制にある。また、研究組織として大学院生が3名在籍し、彼らを指 導しながら本研究を行っていく予定である。データー収集と解析を並行して行っていく予定である。
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