研究課題
【AAA壁における血管新生、リンパ管新生についての検討】凍結保存標本の検討:人工血管置換術を施行したAAA症例の切除瘤壁標本を用いて、壁の血管新生、リンパ管新生ともにCD31、podoplaninを用いて、免疫組織学的検討を行い、新生が活発に起きている内中膜、そこへの炎症細胞の浸潤について証明した。Differences in Vasa Vasorum Distribution in Human Aortic Aneurysms and Atheromas. Sano M, at el. Angiology 2022【AAA患者におけるMRI 4D-fl ow解析】AAA症例数例に術前 MRI画像の4D-fl ow処理を試み、血流のベクトル解析、刷り応力値測定の解析を行い、コントロール群と比較して壁の刷り応力がどのように異なるかを検討している。AAA群では瘤化部分の刷り応力が著しく低下している傾向がみられている。【ラットAAAモデルでのPDE阻害薬の瘤破裂予防効果の検討】ラットAAAモデルにPDE阻害薬を投与して動脈瘤の変化を観察し、瘤壁の炎症、Hypoxiaを抑制しており、破裂予防に効果があることが証明された。K-134, a phosphodiesterase 3 inhibitor, reduces vascular inflammation and hypoxia, and prevents rupture of experimental abdominal aortic aneurysms. Unno N, at el. JVS Vascular Science 2021. さらに、脂質異常症ラットでのAAAモデルでのPDE阻害薬の瘤増大予防と破裂予防効果を検討したところ、対照群(非投与群)と比較して優破裂予防効果を認めた。しかし、、統計学的有意差を確認するには更なる追加実験が必要である。ラットが若齢であることも問題であると考え、現在は高齢+脂質異常ラットを対象としてPDE阻害薬の投与群・非投与群で再検証を行っている。さらに、並行して行った瘤増大の予防効果については現時点で有効性を見いだせていない。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 1件)
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