研究課題/領域番号 |
21K08853
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
田中 駿 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (50893880)
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研究分担者 |
西中 知博 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (00256570)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 補助人工心臓 / 遠心ポンプ / 心不全 |
研究実績の概要 |
Reverse remodelingを促進させる新たな左室補助人工心臓駆動方法の開発のための基礎検討として大型動物心不全モデル作製(ヒツジ)を行った。マイクロスフィア冠動脈注入法を用いた動物心不全モデルにおいては、個体によって同量のマイクロスフィアを投与しても、心不全の重症度が異なるという問題があった。これを、各個体の左冠動脈血流量を基準にポリスチレン製のマイクロスフィアを冠動脈より注入することにより、異なる重症度の心不全モデルを高い再現性で作製しうることを急性動物実験レベルにおいて明らかにした。この冠動脈流量によってマイクロスフィア投与量を調整する手法を用いた慢性心不全モデルの作製について検討を行っている。左室補助人工心臓血液ポンプ駆動方法の研究については,自己心拍と同期して血液ポンプ回転数を制御するためには、心電図を安定してトリガーするセンサーが必要であり、臨床応用する上で大きな問題となる。この問題点を解決する有効な左室補助人工心臓血液ポンプ駆動制御方法として、心電図トリガーを必要としない自己心拍と非同期で血液ポンプ回転数を制御する新規左室補助人工心臓血液ポンプ制御システムを開発している。作製したマイクロスフィアを用いたヒツジ心不全モデルに対して、遠心ポンプ型左室補助人工心臓を装着し、従来形式の定常回転による連続流補助循環を対照群として、回転数を制御させることによる新規左室補助人工心臓血液ポンプ制御システムを用いた補助循環が、心機能を含む生体に与える影響、有効性、安全性、課題とその対策について検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心不全モデルについて、急性動物実験レベルでは確立でき、慢性動物実験レベルの検討に取り組んでいる。心電図トリガーを必要としない自己心拍と非同期で血液ポンプ回転数を制御する新規左室補助人工心臓血液ポンプ制御システムの基礎開発を終え、本制御法が、心機能を含む生体に与える影響、有効性、安全性、課題とその対策に関する検討を実施する段階に到達している。
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今後の研究の推進方策 |
心電図トリガーを必要としない自己心拍と非同期で血液ポンプ回転数を制御する新規左室補助人工心臓血液ポンプ制御システムが心機能を含む生体に与える影響、有効性、安全性、課題とその対策に関する検討を、急性心不全動物モデルを用いて検討する。続いて、同システムが慢性期に生体に与える影響について、慢性心不全動物モデルでの検討へと推進する。
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