研究課題/領域番号 |
21K08856
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
前田 恵 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (00646151)
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研究分担者 |
鈴木 智之 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (10837157)
齋木 佳克 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
佐々木 康之輔 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50755642)
秋山 正年 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (80526450)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | PAI-1阻害薬 / 癒着実験 / 薬剤徐放 / トラネキサム酸 |
研究実績の概要 |
PAI-1阻害薬TM5614を経口摂取させた心嚢内癒着モデルウサギにおける再開胸時心嚢内の癒着防止効果はこれまでの実験からほぼ認められており、現在は薬剤徐放シートの完成に向けて目下進めているところである。 PAI-1300㎎/kg経口投与群におけるTM5614の4週間後血中濃度から心嚢内に1/250程度のTM5614が分布していたことから、心嚢内徐放シートに含ませる薬剤量として0.3mg/kg 、3mg/kg、 10mg/kgでの設定を行った。基材としてはpolyethylene glycol dimethacrylate(PEGDM)とtriethylene glycol dimethacrylate (TEGDM)の配合を調整し、一方方向(胸骨下方向)に徐放するようなControlled-release layer, Drung layer, Guard layer, Development layerの4層構造を完成させた。In vitro実験において、1週間徐放、4週間徐放、各コントロール群を設定し、それぞれの適切なPEGDM/TEGDMの配合割合を決定した。またシートの大きさ5cm×8cm、厚さ3-5mm程度になるよう全て調整した。 徐放シートを動物実験に使用するため、動物実験におけるコントロール群としてPAI-1阻害薬と拮抗するトラネキサム酸を含むPAI-1+トラネキサム酸の徐放シートを現在作成中(同様に1週間徐放、4週間徐放)であり、終了すれば本薬剤徐放シートを用いた動物実験に移行予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初考えていた徐放シート構造や素材を大幅に変更した。また徐放薬剤量を決定する血中濃度や組織内濃度を測定するのにさらなる動物実験を行い、時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
PAI-1徐放シート(1週間徐放、4週間徐放)、PAI-1+トラネキサム酸徐放シート(1週間徐放、4週間徐放)、薬剤なしシート、をウサギ癒着モデルに実際植え込む動物実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
薬剤徐放シートを使用した動物実験にまだ進んでおらず、今後動物実験さらに癒着評価のための病理組織学評価に使用予定である。
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