心不全に対する新規治療法開発のため、本研究では補助人工心臓でのunloadingによる心機能回復とH3K9メチル化の関連に着目し解析を行った。 心筋細胞の低酸素下での培養により、H3K9のメチル化の発現が低下する傾向が見られた。また、心臓における心筋組織に対する外的力学的作用を検討するため、接地培養した心筋細胞に伸展刺激と解除を行った結果、H3K9のメチル化が亢進していた。さらに、H3K9のメチル化酵素であるSUV39H1の遺伝子発現が亢進し、脱メチル化酵素であるJMJD1A、JMJD2A、JMJD2Dの遺伝子発現が低下する傾向が見られた。左室のunloadingによりH3K9メチル化が亢進し、左室のリモデリングに寄与する可能性が示唆された。
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