研究課題/領域番号 |
21K08865
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
堀尾 直裕 昭和大学, 医学部, 助教 (90839002)
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研究分担者 |
大澤 晋 岡山大学, 大学病院, 講師 (20643414)
藤井 泰宏 岡山大学, 大学病院, 客員研究員 (40534673)
中谷 達行 岡山理科大学, フロンティア理工学研究所, 教授 (50520920)
笹井 泰志 岐阜医療科学大学, 薬学部, 教授 (60336633)
逢坂 大樹 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70839141)
美間 健彦 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (80596437)
笠原 真悟 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (90233692)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Diamond-like carbon / ePTFE / 人工血管 / 血液適合性 / 人工血管感染 / アンモニウム基 / 高分子ブラシ / 血管外科 |
研究実績の概要 |
Diamond-like Carbonは非常に生体適合性に優れたコーテイング素材であるが、従来樹脂、特に管状構造物の内面にはコーティングする技術はなかったが、我々は樹脂管腔構造物内腔にDiamond-like carbonをコーティングする技術を開発し、さらに生体表面に近づけるため官能基付加技術開発に取り組んでいる。本研究ではアミノ基付加技術の開発とその血液適合性への影響を調査する。 本年度は、Diamond-like carbonにアミノ基を付加する研究をメインで行った。DLCコーティングの際のプラズマ育成に用いる、アルゴンガスにアンモニアガスを付加する事により、アンモニア基の導入に成功した。しかし、当初は電子顕微鏡で観察すると、ePTFE表面が改変されており、アンモニアガスを付加する事により、アンモニアプラズマが表面を改変してしまっている事が示唆された。プラズマの条件を調整して、表面が改変されないアンモニア基不可DLCの作成に成功した。主に、コーティング時間を短縮させると表面改変が制御された。ラマン分光法でDLCの存在を確認し、窒素結合の含有率を測定中である。作成したアンモニウム基付き、DLCの血液適合試験、細菌付着試験を施行中である。現在のところ、アンモニウム基付加人工血管は、表面の極性がニュートラルから外れるため、血栓付着が増える傾向にあると認識している。血栓塞栓術デバイスへの応用が可能であるかもしれない。また、付着しやすい細胞腫を特定すれば、細胞の生着率向上をさせることで機能を向上できるデバイスへの応用が可能になると思われ、開発したDLCの各種生物学的特性の解明が重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響で、研究施行が制限されたため、やや遅れ気味である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、カルボキシル基とアミノ基の両方を付加したDLCの開発を行う。開発済みのDLCについては、血液適合性試験、細菌付着試験を施行して、その性能を見極める。また高分子ブラシ付加DLC人工血管が完成すれば、それについても同様の検査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナにより研究に若干制限がかかり、一部予算が繰り越しとなった。R4年度の消耗品代として使用する予定である。
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