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2021 年度 実施状況報告書

Force-Length Relationによる単離ヒト心筋細胞の機能評価

研究課題

研究課題/領域番号 21K08866
研究機関岡山大学

研究代表者

小松 弘明  岡山大学, 大学病院, 医員 (40894952)

研究分担者 貝原 恵子  岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (60638641)
入部 玄太郎  旭川医科大学, 医学部, 教授 (90284885)
小谷 恭弘  岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (90534678)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードヒト単離心筋細胞
研究実績の概要

ラットやマウスにおける心筋細胞の単離操作やそれによって得られた単離心筋細胞の力学実験は安定した成績を収めている。我々は先行研究でForce-Length Control Systemによって単一細胞に分解したマウス心筋細胞を直接的に伸展収縮させることでin vitroで負荷非依存性の心機能評価を行うことを可能とした。我々が多く携わる先天性心疾患患者における余剰心筋にこの技術を応用し、細胞レベルで収縮力を解析する実験を行っている。2021年度においてマウスによる心筋細胞の単離・伸展実験の手技の習得と並行し、ヒト心筋細胞での単離・伸展実験を開始した。これまでで5例のヒト心筋細胞を用いた実験を行い、ヒト心筋細胞の単離は行うことができた。今後、ヒト単離心筋細胞を用いた伸展実験を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウス心筋細胞の単離はランゲンドルフ灌流系を用いて心筋細胞を単離する酵素を冠動脈より灌流し満遍なく酵素を組織に行き渡らせることができる。しかしヒト心筋細胞の実験では手術で切除された余剰心筋組織を用いて行なっている。この組織に酵素反応させるには組織片を酵素液に浸してスターラーで撹拌して反応させている。そのため、酵素に対する細胞の反応は均一ではなく単離の精度が安定していない。さらにヒト心筋細胞の単離はできるが伸展実験に耐えうる細胞ではない。今後、単離手技において、酵素投与方法や組織との反応方法を調整し、伸展実験に耐えうる心筋細胞の単離精度を上げる必要がある。

今後の研究の推進方策

ヒト心筋細胞の単離はまだ安定していない。単離できた心筋細胞も細胞膜の損傷が大きく、電気刺激に反応が無かったり、物理刺激によって容易に細胞が死んでしまう現状である。
ヒト心筋細胞を用いたデータは世界的にも少ない、その理由として実験に利用できる切除心筋は手術によってのみ得られ、年齢や切除重量による差が大きいことがあげられる。これまでの5例の実験から、若齢になるほど細胞が小さく、酵素によって細胞膜が強く損傷されていることが疑われる。今後、若齢の症例に対して酵素濃度や酵素の種類を調整して単離実験を行い、力学実験へ移行する予定である。

次年度使用額が生じた理由

ヒト心筋細胞単離はまだ安定しておらず、引き続き酵素の種類・量について検討必要な状況である。これらに対して適宜、実験を進めるに従って調整後、随時酵素購入が必要となる。また、共同研究者が遠隔地ということもあり共同実験・カンファレンスなどの交通費として支出予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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