研究課題/領域番号 |
21K08868
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
森景 則保 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50335741)
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研究分担者 |
佐村 誠 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30773402) [辞退]
原田 剛佑 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60650322)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 虚血プレコンディショニング |
研究実績の概要 |
本年度は、遠隔臓器の虚血プレコンディショニング(Remote ischemic preconditioning; RIPC)による虚血臀筋の血流改善効果の検証するため、下肢RIPCモデルマウスを作成して、モデルの有用性について検証を行った。 オスのC57BL/6マウスの体幹部の除毛を行い、手術手技はセボフルランでの全身麻酔下で行った。仰臥位として下腹部正中で開腹した。腸骨動脈分岐部直上の腹大動脈をtapingし、RIPC群は腹部大動脈遮断による5分間虚血と5分間灌流を3サイクル行った。Sham群は開腹のみとした。作製したRIPC群とSham群で、それぞれ右側の内腸骨動脈を同定して結紮し臀筋虚血モデルを作製した。モデルを作製した後、臀筋の血流変化をレーザードップラー血流計で測定したところ、Day1の時点で右側臀筋の血流低下はみられなかった。 片側の内腸骨動脈を結紮したのみでは、レーザードップラー血流計で検出できるほどの血流低下が得られないと考えられた。また、マウスの臀部が四肢や尾に比べて、皮下組織が厚くレーザードップラー血流計での測定で血流変化が検出されにくいことも推測された。より臀筋の血流低下をもたらすためには、内腸骨動脈より中枢の総腸骨動脈での結紮と、その中枢の腹大動脈から分枝する腸腰動脈の結紮も行うことで、検出可能な程度の血流低下が得られる可能性がある。虚血による臀筋跛行の予防を検証するモデルではあるが、臀筋での血流計測が困難であれば、大腿筋などのレーザードップラー血流計で血流が評価しやすい部位での検討も考慮する必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス臀筋虚血モデルはほとんど報告されていない為に、我々は本研究でマウス臀筋虚血モデルの作製を試みている。今年度実施した虚血モデルにおいて、改善すべき箇所が把握できた為。
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今後の研究の推進方策 |
マウス臀筋虚血モデルを樹立する為に、総腸骨動脈での結紮と、その中枢の腹大動脈から分枝する腸腰動脈の結紮も検討することで、検出可能な程度の血流低下が得られるか否か検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会がweb開催またはweb共催となった為、旅費として使用しなかった為。また、動物モデル作製は、1匹ずつ丁寧に作製している為。次年度は、動物モデルを樹立するために、動物購入費に使用する計画である。
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