研究実績の概要 |
重症大動脈弁狭窄症に対する外科治療として, 経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)が普及している. TAVIでは生体弁が使用され, 現行ガイドラインでは術後 抗血小板療法が推奨されている. しかし, 抗血小板療法にも関わらず人工弁血栓症の合併がしばしば認められている. 当院におけるTAVI約300症例について診療 録を後ろ向きに検討したところ, 大動脈基部の血流鬱滞と血栓弁発症の関連が推察された. 本研究の目的は, 術後造影CT・MRIで経カテーテル大動脈弁置換術後のValsalva洞内の血流解析を行い, 術後血栓弁のリスクを評価することである. 当院MRIに4D Flow MRIのシークエンスを導入し, MRIによる解析を試みている. しかし大動脈基部では, 人工弁のアーチファクトによる信号低下を認めるため, 正確な血流解 析が困難であった. 現在, STJ・上行大動脈レベルでの血流解析に切り替え, 血栓弁合併症例と非合併症例で血流解析の比較検討を試みたが, COVID-19の影響もあり症例数を増やせていないのが現状である。
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