| 研究課題/領域番号 |
21K08873
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| 研究機関 | 東京電機大学 |
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研究代表者 |
住倉 博仁 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (20433998)
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| 研究分担者 |
太田 圭 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00393207)
本間 章彦 東京電機大学, 理工学部, 教授 (20287428)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 人工心肺 / ECMO / 圧力推定 / 非観血 / 変位測定 |
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| 研究実績の概要 |
人工心肺やECMO等の体外循環回路を安全に管理する上で、回路内圧の測定は重要である。圧力測定方法は観血式が主であるが、圧力計を接続するためのコネクタにて血栓形成の可能性を有する。そこで我々は、回路に使用するチューブの変形から回路内圧を推定する方法を開発中である。しかし、チューブの変位量は微小であるため十分な推定精度が得られず、更に、粘弾性体であるチューブには、時間に依存し変位が増大するクリープ現象が生じる。本研究では、体外循環回路における回路内圧を非観血的に推定する方法を実現するために、微小なチューブの変位を精度良く測定する技術の確立と、チューブのクリープ特性を推定するための数理モデルの構築を目的とした。本年度は、チューブの変位を計測するための治具を試作し、模擬循環回路を用いた推定精度とクリープ特性の評価を行った。更に、チューブにおけるクリープ特性の数理モデルの構築を行い、回路内圧の推定を試みた。
（１）チューブ固定治具の試作、および模擬循環回路を用いた推定精度とクリープ特性の評価
チューブの変位を計測するために光学式変位センサを用いた治具を試作した。治具をチューブ外周部に設置し、チューブの変位を計測した。模擬循環回路を用いた短時間の負荷試験では、回路内圧と変位の関係は線形性を示した。一方、長時間の負荷試験では、回路内圧一定でも変位が次第に増加するクリープ現象が生じたことから、回路内圧を推定する際の誤差の要因になると考えられた。
（２）チューブにおけるクリープ特性の数理モデルの構築と回路内圧の推定
ばねとダッシュポットからなる3要素モデルを用いて、クリープ現象による影響を補償するための数理モデルを構築し、回路内圧の推定を行った。その結果、推定した回路内圧は、初期の誤差は大きいものの時間経過で減少した。このことから、チューブの変位から回路内圧を推定可能であることが示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
変位を計測するための治具を試作し、模擬循環回路を用いた評価試験により推定精度とクリープの影響を把握することができた。また、ばねとダッシュポットからなる3要素モデルを用いて数理モデルを構築し、回路内圧の推定を実施することができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度は、チューブの変位を精度良く測定するために、固定治具形状の改良や変位の測定方法について検討を行う。また、回路内圧の推定精度の向上を目的とし、数理モデルの改良と共に適用するパラメータを精査する。改良した治具と数理モデルを用いて、模擬循環回路における評価試験を実施する予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
（理由）
チューブの変位を測定するための光学式変位センサを用いた固定治具を作製するための試作費を計上したが、光学式変位センサ等の部品の購入が困難であったため、次年度購入し試作することとした。
（使用計画）
光学式変位センサやチューブ固定治具を作製するための3Dプリンタ用樹脂等の部品・材料の購入費や試作加工費として使用する。また、本研究の成果を国内外に広く発表する目的での学会参加出張旅費として使用する。
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