研究課題/領域番号 |
21K08877
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡邉 龍秋 東北大学, 大学病院, 助教 (70636034)
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研究分担者 |
野津田 泰嗣 東北大学, 大学病院, 助教 (00636037)
渡辺 有為 東北大学, 大学病院, 助教 (20724199)
大河内 眞也 東北大学, 事業支援機構, 講師 (40375035)
大石 久 東北大学, 大学病院, 講師 (60451580)
平間 崇 東北大学, 大学病院, 助教 (80510338)
矢吹 皓 東北大学, 加齢医学研究所, 分野研究員 (80848276)
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90323104)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肺移植 / 線維化 / 移植免疫 |
研究実績の概要 |
本研究の主たる目的は肺移植術後の慢性期の主たる死因であり、通常の免疫抑制療法では制御困難な慢性移植機能不全 (Chronic Lung Allograft dysfunction, CLAD)のメカニズムを解明することにある。本研究では自然免疫刺激が同種抗原反応を増強することと肺という外界に開かれた臓器の特性に着目し、移植術時の虚血再灌流障害と移植後の慢性気道炎症という2つの臨床肺移植に則したシナリオをマウス肺移植に適用したCLADモデルを確立・報告した。これらのモデルは同種抗原と自然免疫刺激の両者に依存的な肺線 維化を認める。線維化病巣が空間的に異なる2つのCLADの2つのサブタイプに特徴的な組織像を再現する実験モデルであり、それぞれの特徴的な変化および共通のパスウエイを解析できる。 本年度は本邦でのマウスCLADモデル立ち上げのための研究をおこなった。本研究で用いるC57BL/10マウスはブリーダーごとに背景がやや異なることが経験的にも学術論文からもわかっている。そこで本年度はTLR4のフェノタイプの異なるC57BL/10マウスを用いた肺移植を行い、肺移植後の表現型について検討を行った。さらに、系統の異なるマウス同士を掛け合わせて仔マウス(F1マウス)を用いた肺移植を行い、肺の線維化病変について検討を行った。 本年度の結果から今後の研究を行うにあたり適切なマウスの組み合わせ、移植前後での自然刺激に必要性について確認ができたため、次年度は追加の肺移植および、データ解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本邦と北米でC57BL/10マウスの背景が異なるため予備実験を行う必要があるため、当初の進捗よりやや遅れていているが、新たな発見もあり、一定の成果が見られている。 2022年度も継続してマウス肺移植および解析を行う。
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今後の研究の推進方策 |
本邦のC57BL/10マウスと北米のC57BL/10の病理学的変化の違いについて検討できているため、今後はその特徴に応じて実験モデルを一部修正して研究を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
検体を用いた解析(RNAseq等)を翌年に繰り越して行うこととなっため、予算を翌年に繰り越すこととなった。
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