研究課題/領域番号 |
21K08882
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三好 健太郎 岡山大学, 大学病院, 助教 (50534773)
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研究分担者 |
杉本 誠一郎 岡山大学, 大学病院, 准教授 (40570148)
岡崎 幹生 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (50467750)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 早期移植肺機能不全 / 体内肺還流システム / 臓器治療 |
研究実績の概要 |
本研究ではレシピエント体内でPGD発症後に治療介入する新たな技術 In vivo lung recovery (IVLR) 法の開発と効果の実証を目的とする。本システムでは、①左房(肺静脈)脱血、肺動脈送血による体循環からは分離した移植肺再循環回路を設立、②遠心ポンプとサイトカイン吸着膜カラムを回路内に設置、③EVLP法で治療的効果が立証されている高浸透圧治療液(Steen solution)を回路液とし、徹底した臓器保護的な再還流プロトコルのもと、再還流後早期機能不全を生じた移植肺の炎症性サイトカイン除去、肺水腫の改善をねらう治療的回路循環のデザインを考案した。手順の概要としては、移植肺再還流後に重度PGDの発症を確認したのち、IVLR回路を用いた移植肺還流治療を手術終了前に一定時間実施し移植肺機能の回復を図ったのちに手術を終えるというものである。このIVLRの治療効果についてブタ肺移植PGDモデルを作成し検証するのが本研究の目的である。 初年度(2021年度)にIVLPモデルの技術的確立をおえ、本2022年度は設定した①無治療 (対照群)、②ECMO (従来法群)、③IVLR (実験群)の各群の動物実験を施行し、データ採取を終了した。想定した以上に実験群であるIVLP群における再還流後早期機能不全に対する劇的治療効果が確認された。 すでに学会発表(日本移植学会、日本胸部外科学会)への発表を行い、現在論文作成をおこなっているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでに動物実験とデータ採取およびデータ解析をおえたところである。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、上記経過をふまえ、さらに肺移植関係の研究会等での内容紹介、論文作成、投稿を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
英文論文作成にともなう英文校正費、およびオープンジャーナルへの投稿にともなうArticle processing chargeに使用する予定である。
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