研究課題/領域番号 |
21K08888
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
町野 隆介 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (90728081)
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研究分担者 |
松本 桂太郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (80404268)
藤澤 一範 信州大学, 先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所, 助教(特定雇用) (00724634)
永安 武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80284686)
中山 功一 佐賀大学, 医学部, 教授 (50420609)
野中 隆 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (30606463)
朝重 耕一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (70457547)
富永 哲郎 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (60457546)
森山 正章 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (90815953)
谷口 大輔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (20773758)
小山 正三朗 長崎大学, 病院(医学系), 助手 (20815972)
内田 史武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 研究協力員 (00866270)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | バイオ3Dプリンター / カーボンナノチューブ / 人工臓器 |
研究実績の概要 |
バイオ3Dプリンターによる自己細胞および幹細胞からなる人工管腔臓器は、理想的な管腔臓器再生ツールと考えられる。我々はこれまでに、人工気管、食道、小腸、尿管を作製、小動物へ移植、生存に成功した。しかし、これらの人工臓器の臨床応用にむけた課題は、軟骨組織、平滑筋組織を始めとした人工臓器の基本となる構造体の品質、特に人工臓器の強度、幹細胞の人工臓器内での分化、人工臓器内の血管形成などの不安定さである。この解決方法として、細胞接着に関与でき、細胞に直接増殖因子を提供できるdrug delivery system(DDS)としてカーボンナノチューブ(CNTs)を用いた研究を行う。CNTsは、現在癌細胞などに対する抗がん剤のDDSや幹細胞培養における分化調整可能な足場(scaffold)素材として注目されている。このCNTsを用いて、増殖因子を直接人工臓器内へ埋め込むことで、幹細胞を様々な細胞に分化させ、さらにCNTsによる細胞接着、機械的刺激による分化能維持や分化誘導を行うことで、組織の強度を上昇、安価な人工臓器を短期間で作製する新たな作製、製造方法の確立を目指す。本研究課題における問いは、「CNTsの添加により、3Dプリンターによる人工管腔臓器の品質向上および製造コスト削減が得られるか」であり、R3年度はバイオ3Dプリンターによる管腔臓器再生に使用する幹細胞を用いた細胞凝集体であるspheroidにCNTsを添加することで、細胞の分化に必要な成長因子を減らすことが出来るか、およびCNTsの細胞に与える毒性について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
間葉系幹細胞MSCsにTGFβおよびBMP-2を加えることで軟骨細胞に誘導されることが、我々の先行研究でも証明されている。特にBMP-2は高価であり、CNTsの添加によりBMP-2の使用を抑えることが出来れば品質を落とさず、製造コスト削減につながる可能性がある。低濃度のCNTsを添加したMSCsのspheroidは問題なく軟骨様組織に分化し、CNTsの毒性による明らかな細胞死も見られなかった。しかしCNTsの添加濃度を上げると、TGFβ、BMP-2使用下においても軟骨に分化することはなく、同じ細胞数でもspheroidは小径でCNTsの細胞毒性による細胞死が予想された。当初の予定通りにin vitroでの検討まで行えており、今後in vivoでの実験を検討しているため、おおむね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
添加により効果が得られるCNTsの適切な濃度を見極め、TGFβの添加のみで、BMP-2を添加した際と同等の品質の軟骨分化Spheroidの作成を目指す。 その上で、3Dバイオプリンターを用いて人工気管を作成し、TGFβおよびBMP-2を添加したCNTsを添加していない人工気管との品質の差を検討する。 またCNTsを添加した人工気管のラットへの移植実験を施行し、作成された人工気管の組織内での細胞毒性から、移植後のラット生体内での組織毒性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は動物移植実験までは行えていないため、移植に必要な小動物購入や飼育の費用が掛からず繰越金が生じた。 来年度以降に移植実験も検討しており、そのための費用として、試薬や消耗品などの購入に繰越金の使用を計画している。
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