研究課題
①ブタ肺葉移植モデルの確立:ドナーとして体重45 kgのヨークシャー種家畜ブタを用いた.全身麻酔下に肺動脈本幹より灌流用カニューレを挿入し,4℃に冷却した肺保存液にて両肺を灌流,冷却し,両肺および心臓を一塊に摘出した. 6時間の冷虚肺保存ののち,左肺を上葉と下葉に分け,気管支,肺動脈,肺静脈をトリミングした.レシピエントとしてドナーより大型の体重30kgのブタを用いた.全身麻酔下に左主肺動脈,左上下肺静脈,左主気管支を各々クランプし切離,左肺上葉,または下葉のグラフトを,気管支,肺動脈,肺静脈の順に吻合し,換気,再灌流を行った.再灌流後4時間まで経過観察し,生理学的なパラメータを記録,移植肺葉の局所CO2濃度を測定した.また移植肺の肺静脈血を直接穿刺により採取し,血液ガス分析を行った.以上により,ブタ肺葉移植モデルを確立した.大動物モデルの確立について,別項の通り論文発表した.② 選択的胃液注入によるブタ誤嚥性肺炎ドナーモデルの導入とin vivoでの局所CO2濃度測定:同様に体重45 kgのブタを用いた.全身麻酔酔下に気管支鏡を用て選択的に左上葉,または下葉に胃液を注入し, 4時間の換気を行った.気管支鏡下に各肺葉気管支の局所O2濃度,CO2濃度,気道内圧を測定した.また超音波により各肺葉の肺水腫の程度を評価した.さらに左心房へ流入する肺静脈それぞれを直接穿刺することによりdifferential ABGを測定した.次いで,①と同様にドナー肺の灌流,摘出,肺葉移植を行い,再灌流後4時間まで経過観察し,各種パラメータを測定した.結果,超音波による評価が,肺移植後のdifferential ABGと最も強い相関を示し,肺葉ごとのグラフト評価方法として有用であることが明らかとなった.この結果は,別項の通り国際学会で口演発表を行い,英文論文も投稿中である.
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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