研究課題/領域番号 |
21K08916
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研究機関 | 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院(がんセンター局ゲノム解析センター) |
研究代表者 |
樋口 留美 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院(がんセンター局ゲノム解析センター), ゲノム解析センター, 研究員 (50895795)
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研究分担者 |
弘津 陽介 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院(がんセンター局ゲノム解析センター), ゲノム解析センター, チーフ研究員 (10793838)
後藤 太一郎 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院(がんセンター局ゲノム解析センター), ゲノム解析センター, 研究員 (80317148)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 悪性胸膜中皮腫 / microbiome |
研究実績の概要 |
2016年1月~2020年8月に当院で悪性胸膜中皮腫の治療を行なった8症例を解析対象とし、全員の治療前腫瘍生検検体、およびそのうち3症例は化学療法後手術検体もあることから、8症例11サンプルを使用している。治療前の8サンプル解析し、OTU分析により61のOTUが検出、36種類に分類された。その中で、6サンプルからStreptococcus australis(存在量:32.2 ± 29.6%)とRalstonia pickettii(存在量:24.4 ± 21.1%)の2種が優勢(平均相対存在量1%以上)であり、悪性胸膜中皮腫に特異的な細菌叢である可能性が示唆された。 今回は、化学療法後手術検体3症例より、病理学的に腫瘍が存在しない肺実質のFFPE標本を用いて同様の解析を行なったところ、3サンプル全てで、Streptococcus australis, Ralstonia pickettiiが同定された。一方、胸腺腫22症例、膵癌30症例、肺癌15症例のいずれも腫瘍部分のFFPE標本を用いて同様の解析を行なったが、いずれの菌種も検出されず、より強く悪性胸膜中皮腫に特異的な細菌叢である可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本実験系の確立ができており、解析は順調に進められている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床情報を診療録より収集し、被験者ごとの最大の腫瘍縮小効果をRECIST分類およびWaterfall plotで評価する。経時的な腫瘍縮小効果を測定し、Spider plotを作成し、Long tail群 (長期CR)・奏功群 (短期CR, PR)・非奏功群 (SD,PD)の3群に分類す、DNA解析結果と診療情報を統合し、統計解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は主にデータ解析を行なったため、差額が生じた。今年度使用予定である。
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