研究課題/領域番号 |
21K08922
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
甲斐 慎一 京都大学, 医学研究科, 講師 (30770177)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ICU-AW / 敗血症 / 吸入麻酔薬 |
研究実績の概要 |
分化させたマウス筋芽細胞を用いてセボフルランを暴露させるin vitro実験を確立した。混合ガス(21%酸素、5%二酸化炭素、74%窒素)を注入する管に気化器を組み込み容器に入れた細胞にセボフルランを暴露可能な実験系を確立した。 この実験系を用いて、セボフルランを暴露させた条件でLPS刺激の有無により筋萎縮による影響をWestern blotやqRT-PCRを用いて検討を行っている。検討項目としては、オートファジーや蛋白異化亢進に関わるユビキチンプロテアソーム経路に関わる蛋白、またはIL-6等のサイトカインの発現量である。現在、LPS投与の有無に関わらず、セボフルラン暴露のみでもこれらの検討対象とした蛋白の発現量に変化を認めることが明らかになってきた。また、セボフルラン暴露はLPS投与によるIL-6の発現誘導を抑制した。現在、濃度や時間を変えて発現量の変化について検討し現象の確かめを行っている。また、今後に関しては、セボフルラン暴露が及ぼす影響の発生機序を明らかにするためミトコンドリア機能とHIF-1活性化を含めた細胞内エネルギー産生に焦点を当てて研究を継続していく予定である。さらに、in vitro実験を継続しながらマウスを用いたin vivo実験の確立についても注力していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19による流行で研究の制限を受けた時期があったことなどが影響している。しかし、すでにin vitro実験は確立しており継続して実験できる体制が整っている。今年度は研究を継続して行えると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
in vitro実験を継続して行い、セボフルラン暴露による検討した蛋白の発現量の変化に関する機序について明らかにしていく。また、マウスを用いたin vivo実験についても開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
in vitro実験の確立に時間を要したため研究がやや遅れた。現在in vitro実験は確立できたため研究遂行は問題ない。また、同時並行としてin vivo実験の確立も目指す。
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