研究課題/領域番号 |
21K08923
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐伯 昇 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (30325170)
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研究分担者 |
中村 隆治 広島大学, 病院(医), 講師 (70423366)
岡田 芳幸 広島大学, 病院(歯), 教授 (70566661)
神谷 諭史 広島大学, 病院(医), 助教 (80816348)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 交感神経系 / 侵害刺激 / 末梢動脈 / 神経活動電位 |
研究実績の概要 |
【交感神経活動測定について】腓腹神経における交感神経活動測定を行う上で必要となる microneurography の基本的な技術と知識については研究分担者のもとで習得を行っている。さらに手術患者でこれを実施するためのセッティングとしては、申請者グループが主治医として治療に関わる多汗症患者を対象として行う予定である。 【末梢動脈における電気活動測定について】一方、末梢動脈の微小電位測定システムの構築については、microneurography による測定を応用したものであることから、必要機器については装置の当該メーカーと協議を行い順次揃えている。測定される電気活動は血管平滑筋由来もしくは血管壁に分布する交感神経活動と予想されるが、動脈壁を構成する要素の割合と活動電位の振幅を考慮すると測定される電気活動については血管平滑筋由来のものと想定している。しかし、これについては先行研究が殆どないため実測定を行い確認する計画である。 【血管弾性測定について】侵害刺激や鎮痛薬による末梢動脈の収縮状況の変化を手術患者を対象に約20年にわたり継続して行っている。本研究で行う電気活動測定が可能になり次第、多汗症に対する胸部交感神経遮断術などへの適用を行う予定である。 【海外の研究施設との連携について】本研究テーマと密接な関係がある研究を行なっている米国の研究施設については、新型コロナ感染症などで研究者の受け入れが止まっている状態であるが、情報収集など、今後の再開に向け準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症への対応などのため、ボランティアに対する測定実験や他の研究施設との連携などをスムースに行うことが困難な状況が続いたため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度からは、ボランティア対象の交感神経活動測定実験が再開され、これに伴い末梢動脈神経活動測定実験準備も推進する予定である。その他の問題点としては、手術患者に交感神経の電気活動測定を行う場合、測定に要する所要時間が実臨床においては無視できない長さとなっていることである。これについては、電極のターゲットとしての大きさが交感神経繊維に比べ格段に大きい動脈壁の電気活動測定を先行して行うことを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題については、申請者所属の研究施設が現有する機器での測定と並行して新たな計測システムである末梢動脈碧電気活動測定システムの構築を試みている。2021年度の時点で、新たな計測システムの一部において既存の測定機器を共用できると考えられたため、主たる測定機器群の決定を延期した。 2022年度においては研究分担者と測定機器メーカーと共に機器の選定・購入を行うため2021年度分であった物品費(2,300,000円)を充てる計画である。また、旅費については国内学会発表へ充てる予定であるが、米国への渡航については当該研究施設の受け入れ状況に応もよるが、可能な限り訪問を行う計画である。
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