研究課題/領域番号 |
21K08925
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
丸田 豊明 宮崎大学, 医学部, 講師 (20363591)
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研究分担者 |
黒木 未央 宮崎大学, 医学部, 技能補佐員 (90706483)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | オプトジェネティクス / 神経障害性疼痛 / 脊髄後根神経 / 電位依存性ナトリウムチャネル / NaV1.7 / NaV1.8 / NaV1.9 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、痛みに関与する電位依存性Na+チャネルの特定のサブタイプが発現している脊髄後根神経節ニューロンに選択的に光感受性チャネルを発現させて、光照射により疼痛が生じる遺伝子組換えマウスを作製し、このマウスに長時間光照射を行うことで神経障害性疼痛を発生させ、その機序を解明することである。本研究では、脊髄後根神経節ニューロンに発現している電位依存性Na+チャネルNaV1.7、NaV1.8、NaV1.9と光感受性チャネルChR2が共発現したNaV1.7-ChR2、 NaV1.8-ChR2、NaV1.9-ChR2マウスを用いる。これらの光感受性遺伝子改変マウスはオプトジェネティクスを用いて、われわれが独自に開発した。これらのマウスに青色光を長時間照射し、神経障害性疼痛を発生させる。脊髄や脊髄後根神経節を取り出して、タンデム質量分析やリン酸化プロテオーム解析を行い、発現量 やリン酸化量に変化があった細胞内シグナル分子を同定する。同定した細胞内シグナル分子から神経障害性疼痛発生に不可欠なものを探り出す。研究は以下の手順で進めていく予定である。 1. NaV1.7-ChR2、NaV1.8-ChR2、NaV1.9-ChR2マウスを用いた神経障害性疼痛モデル作製と行動評価 2. タンデム質量分析、リン酸化プロテオーム解析 3. 神経障害性疼痛に必要な細胞内シグナル分子の同定と検証 2年目はタンデム質量分析とリン酸化プロテオーム解析まで行う予定であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
セボフルラン麻酔下に、NaV1.7-ChR2、NaV1.8-ChR2、NaV1.9-ChR2マウスの足底に青色光を一定時間照射し、神経障害性疼痛モデルを作製した。次に、照射する最適な光強度と照射時間を検討し、それぞれ2つの光強度で30分間の光照射を行うこととした。3系統のマウスでの行動評価の結果を得ることができたが、行動評価に時間がかかり、プロテオーム解析まで進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通りの進歩状況にするために研究を急ぐが、どうしても無理な場合は研究期間を延長する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表の旅費に予定した分がリモートになり、予定額使用額と若干の差が生じた。
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