研究課題
本研究の目的は、痛みに関与する電位依存性Na+チャネルの特定のサブタイプが発現している脊髄後根神経節ニューロンに選択的に光感受性チャネルを発現させて、光照射により疼痛が生じる遺伝子組換えマウスを作製し、このマウスに長時間光照射を行うことで神経障害性疼痛を発生させ、その機序を解明することである。本研究では、脊髄後根神経節ニューロンに発現している電位依存性Na+チャネルNaV1.7、NaV1.8、NaV1.9と光感受性チャネルChR2が共発現したNaV1.7-ChR2、 NaV1.8-ChR2、NaV1.9-ChR2マウスを用いた。これらの光感受性遺伝子改変マウスはオプトジェネティクスを用いて、われわれが独自に開発した。吸入麻酔下に、これらのマウスに青色光を30分間照射し、神経障害性疼痛を発生させた。神経障害性疼痛は光の強さに応じて、24時間以上持続し、その後回復した。脊髄を取り出して、c-fosを免疫染色したところ、光照射側の脊髄後角で発現が増加していた。われわれが開発した光応答性疼痛マウスに長時間の光照射を行うと、可逆性の神経障害性疼痛が生じることが証明された。
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Acta Med Okayama
巻: 77 ページ: 359-364
10.18926/AMO/65741