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2021 年度 実施状況報告書

生体蛍光顕微鏡観察下のGel Formの可視化による内皮細胞機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K08929
研究機関杏林大学

研究代表者

鵜澤 康二  杏林大学, 医学部, 特別研究員 (30530703)

研究分担者 安藤 直朗  杏林大学, 医学部, 助教 (10752199)
吉川 貴紘  杏林大学, 医学部, 助教 (10889166)
萬 知子  杏林大学, 医学部, 教授 (40210801)
牛山 明  国立保健医療科学院, その他部局等, 部長 (60291118)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードグリコカリックス / ジェルフォーム / Hydroxyethyl starch / 末梢循環 / 輸液療法 / Abdominal Window
研究実績の概要

敗血症や大量出血などの重症病態に直面した患者の集中医療管理は世界的に重要な課題である。申請者は「内皮細胞機能に効果的な治療がないこと」「末梢循環をリアルタイムにモニターできないこと」が臨床的問題であると捉えている。本研究では、重症病態下で核心的役割を果たす血管内皮上層のグリコカリックスに着目し、蛍光生体顕微鏡下での微小循環観察によって、グリコカリックス(GCX)層の障害/修復過程の解明を目指す研究である。『内皮細胞機能をターゲットにした新たな治療法の発見』と『重症患者予後改善』の実現を目的にしている。また、生体内では、。GCXのさらに上層のGel Formの果たす役割は重要であり、Gel Form定量の技術開発を進める。
2021年度の実験計画は 敗血症、大量出血、開腹手術モデルの3モデルを実験系の確立が大きな柱である。2021年度前半で開腹手術モデル(abdominal Window: AW)の実験系を確立する予定であったが、新規windowモデルであり、適合するchamberの開発までに至っていない。モデルの開発が計画通りに行われていれば、(HES、ビタミンC、FFP、アルブミン、Vit C)を用いて、pilot studyを行う予定であったが、完了していない。しかし、マウスFFPの精製やマウスアルブミンの精製は順調に行えた。現在、短期で米国MGHのSteele Labにchamber モデルを学びに米国にきており、来年度にはAWの完成とpilot studyを行い、研究の遅れを取り戻し、予定通り、各種薬剤を行い、ESLの厚さ、syndecan-1濃度、トロンボモジュリン濃度等を計測し、ESLの障害程度を評価する。生体蛍光顕微鏡から得られた画像の各障害段階における同一時期の電子顕微鏡画像の取得を行う計画である。Vit Cの効果に関しては、SMP30KOマウスを使用する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の目的は、生体におけるグリコカリックス(GCX)層の障害/修復過程の解明とGel Form定量の技術開発である。本研究では、Abdominal Windowを用いて、通常の開腹手術における腹部末梢循環をターゲットにしており、Abdominal Windowの開発は、本研究の中心的な部分である。予想以上にchamberの適応、観察適応が困難であり、日本での単独開発は断念した。そこで、短期的に申請者はchamberの開発拠点であるSteel Labに、申請者は赴きManmarry Windowや hepatic windowなどを学び、Abdominal Windowの開発を急ぐ計画である。日本においては、分担研究者により、Abdominal chamberの開発は継続し、できる実験を進める。現在分担研究者によって、SMP30KOマウスを使い、GCXの保護物質と予想されるVit CとGCXの関係に関して研究を進めている。

今後の研究の推進方策

申請者は、MGHのSteele labにおいて、様々なchamberを学び、可能な限り、Abdominal Windowの開発を進める。本年度中には、chamberのサイズや厚さなど、諸条件を整え、完成させる計画である。また、日本では、分担研究者によって、Vit Cがどの程度GCXに対して保護的に作用しているのかを光学顕微鏡と電子顕微鏡を使用して、検討し、syndecan-1、へパラン硫酸、トロンボモジュリンを測定し、GCXの障害の程度を推定する。また、Vit C欠乏による壊血病の病態におけるGCXの働きから、Vit CのGCXへの作用を解明することも同時並行で目指す。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画では、2021年度にAbdominal chamber windowを開発し、後半で、パイロット実験を行い、投与薬剤や蛍光色素などの適性などを評価して、2022年度の実験に取り掛かる予定であったが、Abdominal chamber windowの開発が遅延しており、パイロット実験にかかる経費が繰越になったために、次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 【輸液管理2021-'22-ガイドライン、スタンダード、論点そして私見-】VI.輸液管理アドバンス編 重症患者に対して代用血漿製剤はどのように使用すべきか?2021

    • 著者名/発表者名
      鵜澤 康二, 安藤 直朗, 吉川 貴紘
    • 雑誌名

      救急・集中治療

      巻: 33巻2号 ページ: 628-637

  • [雑誌論文] 【術中の全身管理を任された!麻酔導入後から抜管まで、患者のわずかな変化も見逃さない モニタリングのポイントとトラブル対応】術中輸液管理と尿量の考え方2021

    • 著者名/発表者名
      鵜澤 康二, 安藤 直朗, 吉川 貴紘
    • 雑誌名

      レジデントノート

      巻: 23巻10号 ページ: 1555-1562

  • [雑誌論文] Pros and Cons「術中尿量は0.5ml/kg/h以上必要か?」 「術中尿量は0.5ml/kg/h以上も必要ない」という立場から2021

    • 著者名/発表者名
      鵜澤 康二, 安藤 直朗, 吉川 貴紘
    • 雑誌名

      体液・代謝管理

      巻: 36巻1号 ページ: 27-32

  • [雑誌論文] Vascular Endothelial Glycocalyx Plays a Role in the Obesity Paradox According to Intravital Observation2021

    • 著者名/発表者名
      Mitsuda Shingo、Uzawa Kohji、Sawa Marie、Ando Tadao、Yoshikawa Takahiro、Miyao Hideki、Yorozu Tomoko、Ushiyama Akira
    • 雑誌名

      Frontiers in Cardiovascular Medicine

      巻: 8 ページ: -

    • DOI

      10.3389/fcvm.2021.727888

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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