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2021 年度 実施状況報告書

周術期アナフィラキシーの発症機序解明:好塩基球活性化試験と受身感作を用いて

研究課題

研究課題/領域番号 21K08942
研究機関群馬大学

研究代表者

折原 雅紀  群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10795272)

研究分担者 高澤 知規  群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (30400766)
山口 正雄  帝京大学, 医学部, 教授 (10302704)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード周術期アナフィラキシー / 好塩基球活性化試験 / 受身感作
研究実績の概要

申請者らは、周術期にアナフィラキシー症状が出現した患者を対象にして、皮膚テストと好塩基球活性化試験(BAT: basophil activation test)を組み合わせて原因薬剤の同定を行い、その成果を報告してきた。本研究では、周術期アナフィラキシーの原因薬剤について、アナフィラキシーの発症過程におけるIgE関与の有無を、①IgE依存性経路の薬理学的な抑制、②受身感作成立の有無の観点から調べる。この研究により、in vitro検査である特異的IgE抗体測定キット、更にはアナフィラキシー予防薬の開発へ繋げたい。
低侵襲な検査やアナフィラキシーの予防薬ができれば、患者に加えて医療従事者の利益も大きく、研究の意義は大きい。
①周術期にアナフィラキシーの臨床診断基準を満たした患者の血液でBATを行う際に、wortmanninを試験管に加え、好塩基球の活性化が抑制されるかどうかを調べる。wortmanninを加えないものと比べて好塩基球の活性化が抑制されれば、その原因薬剤はIgE介在性と考えられる。
②健常人の好塩基球表面には自己のIgEが存在するため、初めにIgEを除去しておく。IgEを除去した好塩基球と、IgEが含まれた患者の血清を混合して、健常人の好塩基球表面に存在するFcε受容体に患者由来のIgEを結合させ、抗原による脱顆粒の有無を調べる。
本研究のプロトコールは当院の臨床試験審査委員会(受付番号1671)と人を対象とする医学系研究倫理審査委員会(試験番号HS2019-064)で承認されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

この1年間で患者12症例についてBATを行い、血清を採取した。

今後の研究の推進方策

当初の計画に沿って研究を推進する。
アナフィラキシー症例が計画通りに集まらない場合は、協力病院における過去の症例を報告して貰うよう促すと共に、新規症例について報告してもらうよう再度周知する。

次年度使用額が生じた理由

学術集会がweb開催となった影響で当該助成金が生じた。額は少額のため使用計画について大きな変更はない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Possible immunoglobulin-E-dependent sugammadex-induced anaphylaxis caused by an epitope other than γ-cyclodextrin: a case report2021

    • 著者名/発表者名
      Horiuchi Tatsuo、Takazawa Tomonori、Sakamoto Shinya、Orihara Masaki、Yokohama Akihiko、Uchiyama Mutsumi、Saito Shigeru
    • 雑誌名

      Journal of Medical Case Reports

      巻: 15 ページ: 313

    • DOI

      10.1186/s13256-021-02894-3

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Intraoperative anaphylaxis due to aprotinin after local application of fibrin sealant diagnosed by skin tests and basophil activation tests: a case report2021

    • 著者名/発表者名
      Orihara Masaki、Takazawa Tomonori、Horiuchi Tatsuo、Sakamoto Shinya、Uchiyama Mutsumi、Saito Shigeru
    • 雑誌名

      JA Clinical Reports

      巻: 7 ページ: 68

    • DOI

      10.1186/s40981-021-00472-6

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ロクロニウムによるアナフィラキシー:好塩基球活性化試験による診断のためのカットオフ値の検討と発生頻度の調査2021

    • 著者名/発表者名
      南雲一洋、高澤知規、折原雅紀、堀内辰男、坂本晋也、齋藤繁
    • 学会等名
      日本麻酔科学会 第68回学術集会
  • [学会発表] 皮膚テストは陰性だが好塩基球活性化試験で原因を特定できたロクロニウムに対するアナフィラキシーの1症例2021

    • 著者名/発表者名
      原口崇、高澤知規、南雲一洋、折原雅紀、堀内辰男、齋藤繁
    • 学会等名
      日本臨床麻酔学会 第41回大会
  • [図書] 麻酔科専門医合格トレーニング2021

    • 著者名/発表者名
      山蔭道明
    • 総ページ数
      236
    • 出版者
      中外医学社

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公開日: 2022-12-28  

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