研究課題/領域番号 |
21K08945
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
池本 剛大 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (50530127)
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研究分担者 |
菱山 壮平 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (20622400)
中楯 陽介 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (50597002)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 経鼻インスリン / 低酸素脳 / 脳内炎症 / 脳梗塞 |
研究実績の概要 |
今日周術期合併症として周術期神経認知機能障害の原因は不明であるが、脳内炎症が有力説となっている。手術麻酔中の低酸素はまれなものでなく脳内炎症を惹起する。インスリンは抗炎症作用があり、経鼻投与することで、認知機能障害患者の認知機能を改善することから経鼻インスリン投与が周術期認知機能障害の予防・治療効果が期待される。本研究の目的は低酸素によって引き起こされる認知機能障害、低酸素に引き続き起こりうる脳梗塞巣に対する、経鼻インスリン投与の治療効果、その機序を明らかにすることである。 初年度は治療効果を明らかにするためのイソフルラン麻酔下に片側総頸動脈の結紮切離と低酸素条件曝露(FIO2 0.08)を用いたマウスモデルを用いて検討を開始した。イソフルラン濃度の低酸素曝露時間、インスリン投与量、投与タイミングについて調節を行い、インスリン投与群と生食投与群(コントロール)の2群に分けて、低酸素曝露後7日連日神経学的欠損スコアを評価し、7日後に脳組織を採取し脳梗塞サイズ測定おこなっている。 2群間で、脳梗塞サイズに明らかな有意差を認めていないものの、低酸素曝露後1.2日目の神経学的欠損スコアについてはインスリン群で高値の傾向を認めている。 低酸素脳の脳虚血下において経鼻インスリン投与は神経学的欠損スコアを改善する傾向にあるあることから認知機能障害に対する保護効果が示唆され、今後も継続して検討を行い機序の一部についても検討する予定である。もし、経鼻インスリン投与が低酸素脳に対する保護効果を認めれば、新たな周術期認知機能障害の予防治療戦略になることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度はインスリンの投与量、投与タイミング、イソフルラン濃度の調整を行った後に本実験を開始しており、現在順調にデータを集積中であり、予定通り進展している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はさらに例数を増やして同様に神経学的欠損スコア採取した脳組織で脳梗塞サイズについて測定、比較を行う。 その後、経鼻インスリンの効果の機序の一部を明らかにするために同様の低酸素モデルを用いて脳組織の採取を行いインスリンシグナル、アポトーシス、ネクローシスなどのシグナル経路の測定を行う予定である。
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