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2021 年度 実施状況報告書

周術期医療の質をケアプロセスの視点でビッグデータの利活用で探索する臨床指標

研究課題

研究課題/領域番号 21K08946
研究機関岐阜大学

研究代表者

長瀬 清  岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (90345786)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード体温管理 / 周術期ビッグデータ / ケアプロセス
研究実績の概要

今回の研究「周術期医療の質をケアプロセスの視点からビッグデータの利活用で探索する臨床指標」では、具体的に周術期体温管理の視点からそのアウトカムを抽出する研究と、入退院支援により患者の退院に向けたリスク評価を適切に実施する仕組み作りをテーマとして選んでいる。
体温管理で得られた大きな知見は、従来の暗黙知であった患者背景による術中から術後の体温推移の特徴を形式知として可視化する取り組みを行ったことである。例えば30,000人以上の手術患者において、体重が40kg未満、40-60kg、60-80kg、80kg以上の4群で比較すると、以前から体重が小さな群では術中の体温低下が著しいこと、術後の体温上昇も乏しいことなどが判明していた。またこれらの情報にケアプロセスの視点として、ドレーンやライン留置期間、術後鎮痛期間など様々な条件を加えることで、体重という交絡因子の要素は大きいと考えられるが、それ以上に体重ごとに様々な特徴が認められることが判明した。このようにケアプロセスの視点を用いることで、新たな視点でデータの利活用が可能になり、臨床現場に行かせる可能性を認めた。
また入退院支援による患者支援の方法では共同研究も含め、入退院におけるアルゴリズムの解析を行っている。手術を目的として入院する患者が多い急性期病院において、適切な入退院支援の実施は間接的な周術期医療の質向上に資すると考えられる。そのため、これらの支援を今後も継続することで、実際の患者に役立つ視点でビッグデータの利活用が進むように注力したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の影響により、前年度までの配分を受けていた科学研究費を用いた研究が遅れたため、今回の研究への着手が遅れている。

今後の研究の推進方策

今後の研究は、コロナ禍の影響を受ける臨床麻酔業務を担当しながら、一方で今回の研究を実施する予定である。医療情報システム更新を迎えることもあり、新しいDWHの構築が今後の研究成果に不可欠な条件であるため、より質の高いDWH構築を目指すことが、何よりも重要事項であると考える。その延長により周術期管理における体温の可視化と、入退院支援としての患者退院リスク評価という2つの研究に焦点を当てて、この2つの研究であれば両方とも研究成果が困難という辞退に陥りやすいで応用を進めたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のため、18K08813周術期ビッグデータを活用した手術患者アウトカムに及ぼす臨床指標の探索の研究期間が延長となり今回の研究1年目と重なった。よって、今回の研究1年目は、18K08813の費用を活用することで初期投資を抑えた。またなおもコロナ禍のため十分な研究ができる状況ではなかったので、やむを得ず次年度使用額が生じた。18K08813で投資した解析用サーバーも交代時期を迎えるため、使用計画としてこれらの整備に充てる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] データから見る手術室の効率化と医療安全への取り組み2021

    • 著者名/発表者名
      長瀬 清
    • 雑誌名

      手術医学

      巻: 42 ページ: 75-79

  • [学会発表] 手術論文投稿のすすめ:編集委員会からのメッセージとともに. 編集委員会の取り組みと論文投稿のすすめ.2021

    • 著者名/発表者名
      長瀬 清
    • 学会等名
      第43回日本手術医学会
  • [学会発表] 妊婦の術前評価と術中・術後管理2021

    • 著者名/発表者名
      長瀬 清
    • 学会等名
      日本麻酔科学会2021年度支部周術期管理チームセミナー
  • [学会発表] 血液ガス分析を理解しよう2021

    • 著者名/発表者名
      長瀬 清
    • 学会等名
      日本麻酔科学会2021年第14回周術期管理チームセミナー

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公開日: 2022-12-28  

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