研究課題/領域番号 |
21K08948
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
楢崎 壮志 広島大学, 病院(医), 学術研究員 (30887964)
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研究分担者 |
三好 寛二 広島大学, 病院(医), 講師 (50645364)
堤 保夫 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (90523499)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 心肥大 / エネルギー代謝 / グルコース / 脂肪酸 |
研究実績の概要 |
生理的心肥大と病的心肥大の発生過程における違いの一つに、エネルギー代謝の変化があり、病的心肥大は、心臓のエネルギー供給と需要のバランスが崩れることが原因の一つとされている。健常な心筋では、脂肪酸がエネルギー源の70-90%を占め、その他にグルコースなど利用されるが、心筋に高血圧や虚血といったストレスが加わると、脂肪酸の利用が減りグルコースの利用が増えることが分かっている。 心臓の酸素利用率は全身の70-80%におよび、その機能を正常に保つことは最も優先されるべきである。とくに高齢化社会では、その重要性はさらに高くなる。心保護麻酔に関して、エネルギー代謝の点からアプローチした報告は少なく、今後詳しく検討していくべき領域であると考える。 また、細胞膜ドメインであるカベオラは、これまでの研究により細胞表面での様々なシグナル伝達にかかわる重要な構造であることが解明されつつあるが、未だにその詳細な機能が不明な部分も多くあり、様々な可能性を秘めている。さらに、カベオラが細胞内へのエネルギー輸送に関係するという方向は散見されるが、それと麻酔薬との関連を検討した報告は国内外をはじめ調べた限りには存在しない。 そこで心肥大マウスの心臓を用いて、心筋細胞への脂肪酸およびグルコースの取り込みに関連する細胞膜上の代表的なトランスポーターであるCD36、GLUTらについて調べた。各タンパク質(Cav-3、CD36、GLUT 1、GLUT 4など)の発現をウエスタンブロット法で確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、2022年度は心肥大心筋を使用し、ウエスタンブロット法を用いてタンパク発現について調べることができたため、おおむね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、今後は心肥大マウスの作成、そのマウスの吸入麻酔薬への影響を明らかにすることで、吸入麻酔薬とエネルギー代謝および細胞膜マイクロドメインの関係を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 新型コロナウイルスの感染拡大にて、学会参加ができなかったため、次年度使用額が生じた。また、3月納品となり、支払いが完了していないため次年度使用額が生じた。 (使用計画) 令和5年度の学会参加費用・4月に支払に使用予定である。
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