研究課題
本研究では、心肥大における心臓のエネルギー代謝の変化に着目し、それにカベオラ・カベオリンおよび麻酔薬が及ぼす影響を検討することで心保護麻酔の基礎的知見を得るとともに、心不全の新たな治療戦略となるメカニズムの解明に繋げることを目的とした。これまでに、上記を明らかにするために野生型マウスを用いたコントロール群、カベオリン-3ノックアウトマウス群、カベオリン-3過剰発現マウス群の群分けを行い、エネルギー代謝に関するタンパク発現の違い、心肥大モデルを作成し心肥大ストレスが引き起こす心筋細胞のエネルギー代謝の変化を明らかにしてきた。2023年度は、上記実験に加えて、コントロール群、カベオリン-3ノックアウトマウス群、カベオリン-3過剰発現マウス群の心肥大マウスを作成し、吸入麻酔薬であるイソフルランを1MACの濃度で毎日30分投与し、4週間投与し続けたマウスを用いて実験を行った。これらのマウスに対してエネルギー代謝に関して調査した。4週間後の組織・細胞に対し静脈麻酔下にマウスから心臓を摘出し、各タンパク質(カベオリン-3、GLUT 4)の発現をウエスタンブロット法で確認した。吸入麻酔を投与したコントロール群ではカベオリン-3とGLUT 4の発現が上昇していることが明らかとなった。心肥大マウスを用いた場合、吸入麻酔薬のカベオリン-3の発現上昇が認められなかった。また、カベオリン-3過剰発現マウスにおいては心肥大が抑制されることから、心肥大に対してカベオリン-3が重要な役割を担っていることが明らかとなった。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件)
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