研究課題/領域番号 |
21K08957
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
金 徹 日本医科大学, 医学部, 准教授 (80318493)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 手術スケジュール / 自動生成プログラム / 手術室看護師 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、手術スケジュールをコンピュータにより自動生成し、手術室の効率的な運営の実現を図ることにある。本年度は同様の研究を進めているシステムエンジニアとプログラミングについてディスカッションすることに費やした。病院の規模や機能によって考慮すべき因子が異なり、特に大学病院においては流動的かつ日々更新される因子があるため、大学病院で通用する手術スケジュール自動生成プログラムを作成するにはそのような流動的で日々更新される因子の制御ができなければ、実用的なプログラムを作ることができないことが明らかとなった。 上記ディスカッションの結果、流動的で日々更新される因子のうち、特に重要なものは手術室看護師のスキルとスケジュールであると結論した。手術室看護師の割り付けにあたり大学病院においては手術室看護師の教育、スキルアップに重点が置かれている。各手術症例への手術室看護師の割り付けは各看護師の1)知識レベル、2)経験値、3)臨床能力、4)勤務予定などを考慮して行われるが、1)知識レベル、2)経験値、3)臨床能力は日々変化し、かつ、事前の予測が困難である。従って、看護師の割り付けにあたっては技術習熟度の評価を正確かつ迅速に行い、習熟度の向上も踏まえる必要がある。 本研究では、手術スケジュール自動生成プログラムを作成するために、その前段階として、「手術室看護師個人が1)必要な知識を学習することができ、かつ、2)知識の評価、3)経験値の評価、4)臨床能力の評価を第三者が行ってフィードバックが可能で、そのデータに基づいて手術症例への割り付けができるプログラム」を作成することとした。本年度はそのプログラムの基礎となる看護師に必要な知識の整理、必要な経験値の整理を行い、それらの評価アルゴリズムを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
様々な人とのディスカッションを通じて研究の全体像を見直し、方向性を明確にすることができた。これに基づき、具体的な作業に進むことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
手術スケジュールの作成にあたっては執刀医や麻酔科医の都合も重要であるが、それ以上に看護師の割り付けが重要であること、看護師の割り付けには複雑な要素が含まれていることから、「手術室看護師個人が1)必要な知識を学習することができ、かつ、2)知識の評価、3)経験値の評価、4)臨床能力の評価を第三者が行ってフィードバックが可能で、そのデータに基づいて手術症例への割り付けができるプログラム」(以下、「看護師スケジューリングプログラム」)が必要であると判断した。「看護師スケジューリングプログラム」は看護師のスキルの向上を図ると同時に手術症例への割り付けが可能なものとする。このプラグラムを手術スケジュール自動生成プログラムの一部とする。 本研究期間中に手術スケジュール自動生成プログラム、特に大学病院などの大規模な病院においても通用するプログラムを作成するまでには至らないかも知れないが、「看護師スケジューリングプログラム」は手術スケジュール自動生成プログラムの重要なパーツとなると考えられるので、「看護師スケジューリングプログラム」の作成を優先することとした。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は研究計画の見直しにほとんどの時間を費やしたため、プログラムを作成しサーバで稼働させるまでには至らなかった。次年度はプログラムを作成してサーバで実稼働させる予定なのでそのサーバ費用や、学会などへの発表に関する費用に充当する。
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