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2023 年度 実施状況報告書

周術期心筋傷害の分子機序の解明と制御法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K08973
研究機関熊本大学

研究代表者

平田 直之  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (00438045)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード周術期心筋傷害
研究実績の概要

【研究目的】周術期低血圧が関連する周術期心筋傷害の発生機序および制御方法の開発が本研究の目的である。
【研究実施概要】ラットを用いて麻酔誘発性低血圧を導入した。麻酔導入はセボフルラン2%および4%を使用した。セボフルラン投与前において平均血圧は120mmHg前後であったが、セボフルラン投与後、2%投与群では80mmHg前後と導入前より30%以上の血圧低下を生じた。4%投与群では平均血圧60mmHg前後と麻酔前よりも50%以上の血圧低下を生じた。一般的に周術期低血圧は平均血圧が麻酔前よりも30%以上低下することと定義されており、いずれの群においても低血圧モデル
として妥当と考えられた。2時間以上の麻酔誘発性低血圧単独群、麻酔誘発性低血圧+手術侵襲群で、心筋傷害の程度をトロポニンを測定し比較した。その結果, いずれの群においても低血圧を生じなかった群と比較して、トロポニン上昇を認めた。セボフルラン2%+手術群はセボフルラン2%単独群よりもトロポニン上昇の程度が大きかった。一方、セボフルラン4%+手術群では、セボフルラン4%単独と比較してトロポニン値は同等であった。
【考察と展望】麻酔誘発性低血圧単独でも心筋傷害が生じることが示され、手術侵襲により増幅される可能性が示唆された。一方、高濃度の吸入麻酔薬は臓器保護作用を介して心筋傷害を軽減した可能性がある。今後、心筋傷害および心筋ミトコンドリアレベルでの傷害に加え、HIF1-α、GSK-3β、MAPKの動態についてプロテオーム解析を行い、分子機序について検討を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究代表者は所属施設変更に伴い、研究実施開始が遅延した。現施設での研究環境が整備されてきたが、診療エフォートの増大や院内役職業務等により研究へのエフォートを十分に確保できず思うように進行していない。今後、期間内で研究を実施、完了できるよう尽力していく。

今後の研究の推進方策

研究を推進させるために基礎医学講座へ研究協力および研究指導を頂く。また、大学院生の研究協力を通じて効率化を進める。

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公開日: 2024-12-25  

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