研究課題/領域番号 |
21K08989
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
飯嶋 哲也 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (70324209)
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研究分担者 |
中嶌 絵美 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (50436862)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 臨死期 / 呼吸数 / 心拍数 / 苦痛緩和 |
研究実績の概要 |
臨死期にある患者の心拍数、呼吸数、体動の3つのパラメーターの変化を連続的に非侵襲的に測定することによって、死に至るまでの過程を詳細に観察して、新たな苦痛緩和の方法を見出すことが本研究の目的である。その際に核となるのが、我々が開発してきた非接触型監視装置(バイタルサインモニター:VSM、株式会社ジェピコ)である。本学の倫理委員会に打診したところ、VSMは医療機器承認を得ていないため本研究を遂行するためには、特定臨床研究の枠組みが必要とされる可能性が高いとのことであった。主に研究費用の観点から特定臨床研究の枠組みでの研究を避けることが必要と考えられた。このため類似の機能を有し、すでに市販されている測定器を探すこととなった。その結果、いわゆる介護ロボットとして開発された市販型機器(まもるーのHOME 株式会社まもるーの)の存在に行き当たった。詳細に調べたところ「まもるーのHOME」は我々の研究成果をもとに汎用機として開発されたものであることが判明した。このため本研究に「まもるーのHOME」を使用するための準備を行ったが、新型コロナ感染症による行動制限、および株式会社まもるーの組織改編などによって「まもるーのHOME」を本研究での測定器として調達できる見通しがつかない状況であったのが2021年度の状況であった。2021年12月に株式会社まもるーのが株式会社ZipCareに組織改編され、研究用としての「まもるーのHOME」の導入を具体化して、倫理委員会への申請を準備しており、具体的な研究実績が得られていないのが現状である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究が遅れていることの理由は以下の3点に集約される。 ①研究フィールドの喪失:新型コロナ感染症対策のために研究フィールドとして予定していた山梨大学医学部附属病院内の緩和ケア病床に本来の入院対象である終末期のがん患者の入院数が激減したこと ②特定臨床研究の可能性:当初使用する予定であったバイタルサインモニターが研究用機器であるため、使用にあたっては特定臨床研究の枠組みが必要となる可能性が存在したこと、 ③代替測定器の導入遅延:新型コロナ感染症による行動制限で、代替測定器としての候補となった「まもるーのHOME」の導入交渉ができなかったこと、 以上3点である。
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今後の研究の推進方策 |
上記、研究の遅延理由として挙げた3点それぞれについて対策を講じて、2022年度には研究実績として学会報告できるレベルのデータを取得することを目指す。①研究フィールドの喪失:当初、山梨大学医学部附属病院での研究を始めるのと並行して、48床の緩和ケア専門病院である愛和病院での研究を行うこととする。②代替測定器の早期導:我々が開発したバイタルサインモニターの機能をそのまま取り込んで、介護ロボットとして開発され市販されている「まもるーのHOME」の早期導入をはかること。 の2点を行うことによって、研究の遅れを取り戻す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
①当初使用する予定であったバイタルサインモニターが研究用機器であるため、使用にあたっては特定臨床研究の枠組みが必要となる可能性が存在したこと、②新型コロナ感染症による行動制限で、代替測定器としての候補となった「まもるーのHOME」の導入交渉ができなかったこと、の2点である。
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